「三沢、三内丸山遺跡の旅 二日目 #恐山#仏ヶ浦#三沢航空科学館」
201006火曜日
恐山へまずは向かう。しかし、思ったよりクネクネした道で時間が掛かる。ワインディングロードとしては最高だが、さらに時間の掛かる大間のマグロはあきらめることに。
なにしろ、昨日済ませるはずだった三沢航空科学館見学が、月曜休みでフイになったのだ。五時に閉館なので、急がないといけない。
戻って仏ヶ浦へ最短ルートをとるが、それでも昼くらいになってしまう。途中、最北に住む野生の日本猿がいた。道路で日向ぼっこをしていたが、寒さの厳しい青森の冬をどう乗り切っているのだろう。
こんな高緯度に住む野生の猿は、日本の他は皆無らしいが、何かそんな困難に適応してしまうところが、同じ日本に住む霊長類として妙なシンパシーを感じてしまった。
仏ヶ浦はいったん通り越し、ぬいどう食堂へ。ここは日本一コスパがよいと言われるウニ丼で有名だが、ウニ漁は夏までなので時期外れ。朝八時に一応電話で確認したが、やはりないそう。
それでもはるばるやって来たので、せっかくだから寄ってみた。しなびた食堂と、最新のコロナ対策の小型自動検温スクリーンのミスマッチに多少戸惑ったが、おばあちゃんは気さくで色々話ができた。
昨日晩は雷が鳴るくらいの嵐で、風がひどかったそう。そういえば、ここに来る途中落ち葉がすごく、倒木もあった。今日は晴れただけでもラッキー♪
しかし残念ながら、時化続きで漁がなかった様子で、一番安い歌舞伎丼1100円をすすめられる。無料でご飯大盛りにもしてくれたのだが、ほぼイカ丼の内容だった。
でも小さいムール貝の味噌汁はうまかったし、エイひれの煮付けやゲソ煮も付けてくれ、食べに来た甲斐はあった。
「海のきれいな仏ヶ浦」
少し帰って仏ヶ浦に寄る。駐車場から海までかなり下っていく。急な階段もある。
下るといきなりの絶景で、この日は海が相当荒れていた。船着き場があるのだが、遊覧船は近づけもせず帰って行った。
本来なら穏やかな緑がかった澄んだ海が見もののはずが、今日は冬の日本海のような逆巻くダイナミズム。う~ん、なんか演歌やの~。
船着き場にはロープが張ってあって入れなかったのだが、近くまで行ってスマホで写真を撮っていたら、なかなかの波が来て、靴が見事に洗われてしまった。
おかげで三沢まで裸足で運転することになってしまった。
車に帰るとなんだかんだで午後一時を回ってしまっている。
あわてて三沢空港そばの三沢航空科学館を目指す。海自基地のある大湊の海軍コロッケを買いたかったが、ひたすら急ぐ。高速道路もなかったが、なんとか午後三時到着。
寸前でガソリン補給したら、たった12.5Lで350km近く走っていた。最近の軽自動車は凄いのか?いやいやいや、ハイブリッドでもないのにいくらなんでもリッター30kmも走るわけない。でもメーターパネルの燃費表示は22.5km/Lだったから、最低でもそんな燃費ということだろう。ダイハツまじパネー。
「三沢航空科学館へ来ました」
#三沢航空科学館
三沢航空科学館は、ミリタリーというよりは、子ども科学館寄りで、それでも興味深い航空関連の科学実験や体験が楽しめた。月の重力を体験できたのも面白かった。
パソコンで航空管制官を体験できるソフトがあり、チュートリアルからやってみたが、それでも難しくてすぐ匙を投げた。航空管制官は本当に頭が良い人がやっているなー。
「羽田空港フライトシミュレーター」
無料のフライトシミュレーターもあり、多分セスナならではのフラップの三段調節や、棒状のスティックを押し引きするスロットルまで操作できた。
空港も三沢空港と羽田空港と選べたので、羽田空港を選んでみる。
タキシングから始まり、フルスロットル。係員のお姉さんの指示にしたがって、メーターで15度の機首上げの姿勢を保つ。高度がとれたところで水平飛行に移る。しばらく好きに飛んでいいそう。
離陸途中で見えた、夢の島近くの恐竜橋に向かってみる。向かい合う橋のトラス形状が、巨大な二体の恐竜が向かい合っているように見えるのでそう呼ばれているらしい。実際に走ったこともあるが、あまりに巨大なので、恐竜というよりは怪獣のようだった。
さらに機首を巡らすと、お台場のフジテレビとかが目に入ってくる。もしかしてお台場のユニコーンガンダムも3Dポリゴン化されているかもと思い、フジテレビそばに向かう。白い何かが見えたので、どんどん近づいてみる。
しかし、解像度が上がると、パレットタウンの大観覧車だった。なーんだ。
時間になったのか、着陸体勢にワープする。中級を選んだので、あまり難しくないだろうと思っていたら、風にけっこう流される。
強風での着陸映像によくあるように、横滑りするようフットペダルのラダーで風上に機首を向けようとするが、微調整が実に難しい。
軽いセスナでこれなんだから、重い旅客機でドリフトアングルつけて進入し、着陸寸前でスッと機首を滑走路と平行にして着陸させるパイロットは本当に神業なんだな~と感心した。
自分は無様に蛇行したあげく、滑走路端っこに叩きつけられるように着陸した。乗客がいたら訴えられるだろう。
二階には年代ごとにディスプレイされた主に軍用機の模型が沢山飾ってあり、なかなか見ごたえがあった。
見たことない機体もあり、マイナーな機体の珍妙な形や、定番の機体のそれぞれの違いなんかは、いくら眺めていても飽きない。
しかし、ついに閉館の午後五時となる。最後に、外に展示してあるF16や三菱F1やF104スターファイターをサクッと見る。夕日を背にしたF16Cは、もはや神々しい。
基地から聞こえてくるラッパの音色が、勇ましいのに何故か哀愁を誘われる。戦士への鎮魂歌のようでもあった。
「三沢名物 バラ焼き」
#三沢B級グルメ バラ焼き
空港をぐるっと回ってレンタカーを返しに行く途中、三沢B級グルメのバラ焼きを食べに寄る。
空港近くの古びた食堂モナコでバラ焼き定食850円。おやじさんが、コンロを出してきて、平たい円形の鉄板で玉ねぎと味をつけた牛肉の薄切りを焼いてくれる。
なんでも、米軍基地で使わない牛肉のバラ肉なんかを食べ始めたのが最初で、今は十和田のバラ焼きの方が有名だが、元祖は三沢らしい。
見た目はジンギスカンに近い。タレが少し焦げてきたところで食べ頃となる。うまい。タレが焦げるメイラード反応により深みが出ている。ご飯にかけて食べるとまた最高だった。
「F35。。かな?」
#三沢基地#夜間訓練#F35
三沢空港でレンタカーを返したのが18時前。ちょうど戦闘機特有の、凝縮した轟音が聞こえてきたので、空港展望台へ急ぐ。回転ゲートに百円一枚入れるのももどかしい。
ようやく屋上の扉を出ると、ちょうど最後の一機が離陸したとこだった。。
これが三沢の締めくくりとしたら、ずいぶん心残りとなるだろう。
とガックリしていると、ジェットの高周波ノイズがいつまでも消えない。しかし、旅客機の動きもない。
三沢空港は基地併設なので、基地内の生活道路が、民間機の滑走路と空軍の滑走路の間に通っていて、ちょうど帰宅時間なのか、ひっきりなしに基地勤めの車が帰っていくテールライトが見えた。しばらく待っていると、旅客機が着陸してくる。
すると、それを待っていたかのように、戦闘機のアイドリングのジェットノイズが高まっていき、タキシングを始める。
緑色の翼端灯はとても明るいが、距離も遠い上に、シルエットも暗闇に沈んでいて、機体が特定できない。となりで見学している人に訊いても分からないそう。
しかし、音のシャープさと翼端灯のとんでもない明るさで、最新鋭のF35と勝手に思い込む。昼間は見れなかったが、それで満足した。
四機編隊が飛び立ったのを見届けて,18時半のバスで三沢駅に行き、青森市まで一時間ちょい電車に乗った。
いよいよ明日は十年来も念願だった、三内丸山遺跡。縄文史を覆した、驚異の巨大遺跡に迫ろうと思う。
三内丸山遺跡の旅ラスト