ボービントン戦車博物館に行ってタイガーⅠの始動音を聴いてきた⑤170315

ボービントン戦車博物館に行ってタイガーⅠの始動音を聴いてきた⑤170315

映画「フューリー」のイージー8とタイガーⅠもこの博物館の戦車たち

ブラピの戦車映画「フューリー」は、この本物のタイガーⅠを映像に残したというだけで記録の世界遺産モノだが、エリートで一騎当千だったタイガーの乗員を”残念な子”描写して、アメリカつえー、アメリカ万歳でやっつけてしまう展開はどうしたものかと思った。第一、あんな頭の悪いドイツ軍などリアリティのカケラもない。

本物のタイガーⅠが見れるということで、ワクテカで映画館に観に行ったものの、帰りは言い知れない怒りのやり場に困った記憶がある。あんまりだと思ってヤフーの映画批評に書き込んだら、ミリオタ乙だけならまだしも、「フューリー」の反戦の裏テーマが理解できないのかと、明らかに自分宛てに的外れな反論をされたことがある。

はあ?「フューリー」が反戦??んなもん、クソ喰らえだっつーの、てやんでえバーローちきしょう、である。

300人もの大隊相手に戦車に籠城して、しかも皆殺しにするシナリオの杜撰さを指摘したのに、返ってきたのが「反戦の裏テーマを汲み取れないお前はもしかしてバカ?」的な批判。意味わからん。

100歩譲って反戦がテーマとして(そんなもん大概の戦争映画はデフォルトで踏まえている)、ぶっ殺された300人もの、"精鋭"であるはずのSS歩兵たちは、それを訴えるために自ら機関銃の射線に自殺しに行ったとでも言いたかったのだろか、今でも謎である。

。。書いている内に、だんだん当時の怒りを思い出して脱線してしまった。悪い癖だ。

まあ言いたかったのは、何と言ってもやはり斜め後ろから見た、初めて見る実物のタイガーⅠのカッコよさというか、美しさだったのだ。

車両後部に向かってやや下るフェンダー下部のラインは、この角度が一番映える。ちょうど角度のついた砲塔もあって、まるで見返り美人のような色気がある。

戦艦大和の第一砲塔付近のいわゆる"大和坂"に通じる、不作為に生み出された兵器の機能美の極致、と言っても過言ではない。

またそれは他のタイガーシリーズも同じで、ちょうどタイガーフェスティバルに向けて準備中だった、一堂に会したタイガーⅡやエレファント、ヤークトタイガーたちの存在感たるや、すごいもんだった。

分かりやすく表現すると、「有名戦国武将そろい踏み。ポロリもあるよ」的な、言ってる自分もワケわからんワクワク感に満ち溢れたものだった。

しかし実際のところ、尾道での戦艦大和1/1セットの一般公開の時もそうだったが、意外なことに女子と子どもの見学客が半数近くいる。

というか、ロンドンの帝国戦争博物館の時と同じく社会科見学の日でもあり、小学4年生くらいの児童の分隊が各所で先生の説明に耳を傾けていた。何という英才教育!

こういう部分は流石イギリスといった感じだが、それを差し引いても若い女性の客が多かったように思った。

入場料14ポンド約二千円強は、一般人にとっては決して安い金額ではないし、ロンドンから最低でも3〜4時間は掛かる僻地であるものの、本物の機能美を理解する素地は、洋の東西を問わず女性も持ち合わせているということなんだろうかと、感慨深かった。

カミサマ仏さま、自分もそんな審美眼を持った素敵な女性と巡り会えますように、一つよろしくお願いしますだ( ˘人˘ )

その⑥に続く。