「歴代トップ3プレイヤー」
スローター軍曹
「気付き」の深度で推し量れる、プレイヤーおよびフィールドのレベル
前のエントリでスローター軍曹(皆殺し軍曹、サージェント スローター)に触れて、改めて思い出したのが、自分の中での歴代トップ3プレイヤーたちの存在感である。
多くのフィールドでサバゲーをしてきたのもあって、優れたプレイヤーを早く見極めることに関しては絶対的な自信ができた。
それがなければ、ただでさえアウェイのフィールドで、何もできずにボコられることばかりで、死活問題だったということもある。
そういった基軸となるプレイヤーから得られる情報は、実に多岐に及ぶのだ。特に「気付き」の深さを知ることは、チームやそのフィールドのプレーレベルを分析する上で、ほぼ間違いのない判断基準となってくる。
戦略面と戦術面、戦局の分岐点でどのプレイヤーがどういうことをして勝ったor負けた等、より本質的なことに「気付く」かどうかが、何気ない会話でも伝わってくる。
そして、強プレイヤーは例外なく、よく“見えて”いるものだ。今月の東京遠征で埼玉CQBフィールド「シスターSISTER」へ行った時も、常連ベテランさんがほぼフィールド反対側を敵に突破されたのを察知し、即座に後詰めに向かうのに痛く感心させられたばかりである。
さて、スローター軍曹の他に特Sクラスには、ニュージーランドで唯一の複数回チャンピオンチームのジマーと、2006年に東京で出会い、自分に覚醒のキッカケをくれた孤高のソロゲーマーを挙げさせてもらおう。
ティム(フラッツボグ)の実力もそのレベルであるのを先日じっくり話して再度実感したが、自分の中ではティムとリーパーネットの2マンセルの印象が鮮やか過ぎて、このランキングには入れていない。
ヒットマンコスプレのジマ―。何も文句付けようがありません
ジマーは今まで出会った中で、最高といっていい参謀と実戦指揮官のハイブリッド種で、不利な戦局を戦略的判断からの指示でひっくり返したのを間近にみて、NACが唯一何度もニュージーランドチャンピオンチームになれたのかがよく理解できた。
また24時間耐久ゲームで敵になった時は、戦場を作曲するような彼の采配に、味方は完全に封じ込まれたこともある(その時はティムのTAGが敵の主要な打撃力となっていた)。
大局的な視点と同時に、細かいポイント数や時間まで把握して冷静に対処する能力は、本当にズバ抜けているプレイヤーである。そんな災いの元凶である彼を仕留めようと、昼夜なく忍び寄ったものの、あと一歩で届かなかった。
そんなジマーだけでさえ国際レベルでも相当なのは確実なのに、彼一人ではない選手層の厚さがNACの実力を物語っている。
そして、日本人では唯一トップ3入りのプレイヤーは、彼との戦いがなければ、自分がその後ニュージーランドで年間503ナイフキルを果たす土台になった、大事な気付きを得られなかったかもしれないので、その点でも大きな意味を持っている。
そんな自分なりの戦術眼を得ることになったキッカケはある試みで、それまでまるで歯が立たなかった彼の意表を完全に突けたことにある。
2006年に今の自分のプレースタイルに目覚めることになったゲーム
とその検証。
その日、彼(シェルビーV8さん)を師匠と慕うロンさん(東京で仲良くしてもらった有名ブロガー)と、東京遠征に来ていたザクバズーカさんも含めた4人で当時埼玉にあったインドアCQBフィールド「BLAM!」に参加。
常連プレイヤー勢も余裕で蹴散らす彼に、当然のことながらけちょんけちょんに打ち負かされ、苦肉の策で後半まで大人しくしておく作戦に出てみる。
すると驚くことに、それまでほとんど近づくことすらできなかった彼に肉薄でき、それのみならず超至近距離から初めて仕留めることにも成功したのだ。
これは当時の自分にとっては驚天動地の出来事で、単なる金星ゲットにとどまらず、その考察と再検証を通じて、現在の自分ならではの戦術「撃てても我慢して、チャンスの最大化を図る」へと結実することとなっている。
それにつけても、「戦場を素早く可視化して、最善の行動がとれる上級プレイヤーでも、逆にその能力の高さによって足元をすくわれることもある」という発見は、心理の隙を突いていくスタイルの最初の発見でもあり、ブレイクスルーともなった。
その後、ニュージーランドでサバゲーを再開し、並みいる軍人プレイヤー相手に、ハンドガンだけ使いながらも敵分隊を全滅させる等の独特のプレーで、少なくともニュージーランド南島では知らない人はいない程度のプレイヤーになれた。
ニュージーランドに移ってからは、彼との直接のやり取りはなくなったものの、弟子であるロンさんのブログを通して、彼の言葉から今でも発見や気付きを得ることがある。
例えば、車の運転で「周囲の先読み」をロンさんに彼が助言したのは、運転の上達がまず第一ながら、それがサバゲーにおいて上級者に必須の能力になることも含んでのアドバイスじゃないのだろうか、とかである。
実際、車の運転で先読みの練習は、まんまサバゲーでの先読みの練習になると実感している。例えば、片側2車線の道路を運転中、はるか前方で交差点があれば、右折する車が右車線をふさぐ可能性は当然予測できる。
その兆候があれば、左車線に移ることで、右折車の後ろに止まってしまうことは避けれる訳で、そのわずかな“兆し”に“気付く”ことができるかどうかで、サバゲーでも正反対の結果を得ることもしばしばあるのだ。
まあ彼の方で、ちゃんと覚えてくれているかも分からないのだが、心の中では勝手ながらロンさんを兄弟子とした、師匠さんと思わせてもらっている。
なのでいつかはちゃんとそのお礼に、ニュージーランドで手に入れていたあるものをお渡しに行ける日が来るのを待ち望んでいるのだ。前回帰国した時は、都合が合わずにロンさんたちとゲームに行くことはできなかったが(代わりにロンさんのツインリンク茂木の走行会が見学できた)、今度東京へ行ける際には一緒にゲームもできればと思います。