パシフィック・リムの続編?!

「アトランティック・リム」レビュー

パシフィック・リムの続編。と思いきや、まさかのB級よりはるか下のパロディ映画。知らずに頑張って見終わり、腹立ち紛れにクソレビューを書きなぐったが、勘違いして観た自分が悪いというオチ。いや、あまりに低予算過ぎて、オカシイとは思ったのよ。

 

まあしかし、本当の続編のアップライジングもダメ大作らしいので、べつに観なくてもいーかな。

これはこれで、思い出投稿。勘違いっぷりも笑ってくだせぇ。

f:id:cheeriohappa:20181019234308p:image

 


「アトランティック・リム」
いや〜、久々の大駄作に、途中で一度は視聴断念したものの、ツッコミながら観るのが精神衛生上“正解”と気づくと楽しめました。


もうね、あからさまにアラがあったりするのに、真面目にシリアスぶっているアメリカ人の俳優さんの方々が面白過ぎます。コントかよって。

 

この映画に前作のパシフィックリムを期待して観るのは根本的に間違っています。まず予算が明らかに激減したことを、始まって5分で実感することでしょう。

 

日本のテレビ特撮レベルの、あからさまなCG処理。同じくちゃっちい舞台セットの数々。詰めれば10人以上入れそうな、ムダに広くてショボいロボットの操縦席なんか、何かのセットを再利用してる可能性すらあります。

 

3機の色違いのロボットが出てくるんですが、コックピットの壁に、使用感のある謎のダメージ穴があり、映さなきゃいいのに同じ角度ばかりのコクピットシーンなので、他のパイロットの場面でもそのダメージ跡が目につきます。

 


まあ、それは大目に見るとして、舞台セットが何から何までチャチ過ぎて、わざと暗く撮影してるのもあり、場末のアトラクション施設の裏方感がハンパありません。ハリウッド映画もついに、花やしき遊園地や鷲羽山ハイランドのアヤシサを表現できるようになったとは。

 

大きな見どころであるはずのコックピットが、最近の重機にも劣るハイテク感と、外を見るのに“小さな窓一枚”という、何故か前作から退化したテクノロジーに、ガッカリ感も容赦ありません。

 

ロボの胸の出っ張りが、ビーム的な最終兵器と思いきや、まさかの操縦席。しかもガラス窓!!

 

というか空飛ぶ時、水平飛行しているのに、外を見るのにモニターも無く、コックピット正面の小さい窓しかないのはどゆこと?地面見て空飛んでるの??

 


極め付きはシートと操縦桿で、これまたウルトラ警備隊で使ってそうな、大ぶりでアレなデザインの安っすいシルバーのシートに、床から生えた、スキーのスティックみたいなプランプランの操縦桿。これも下手したら使い回してそう。。

 


どうです?これで逆に興味が出てきたとしたら、アナタは立派なダメ映画愛好家です。
ええ、そうです。この映画、やはりというか、シナリオもやっぱりゴミなんです。

 

と、脚本こそ全てと思う自分が、このクソシナリオをネタバレしていくその前に、パシフィックリム最大の見どころである、「巨大怪獣と巨大ロボットの重量感・スケール感ある激突」ですが、“一切ナイ”ことを断っておきます。

 

というのも、このロボットの得意な戦い方は、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」スタイル。

何やらカッコ良さげですが、これを映像化すると、ロボットがハエのように飛び回り、攻撃を回避しつつ、ペチペチとガトリング砲で当てていくという、重量感皆無な戦闘。

 

その上何しろ、そもそも魅せどころであるはずの、人との対比とかの、スケール感を表現できるシーンも、ほとんどないんですね。あってもCGがチープなのは言うまでもなく。

 

「怪獣の大きさを、人の目線で表現する」といえば聞こえは良いんですが、映るべきシーンに怪獣の影すらないのに逃げ惑ってばかりいるので、まさかの素人制作プロモーションビデオ感まで漂ってきます。

 

お、おかしい。。自分が今観ているのは、ハリウッド大作映画の続編ではなかったのか。悪い夢でも見ているのか。。

 


しかし、その悪夢は、シナリオの杜撰さで見事にトドメを刺されることになります。


娘に助けに来てほしいと頼む、対怪獣司令部勤務?の母。車に乗ってさあ脱出と思いきや(仕事ほっぽり出して逃げるのもどうかと)、怪獣のいる方に逃げていく、おなじみの展開。

 


まあまあまあ、それもまあお約束ですからね。こんなところで目くじらなんか立てませんよ。

 


で、怪獣から母娘で逃げ惑うシーンにロボットが飛んでやって来ます。


これがまた、フツーにアイアンマン飛びやスーパーマン飛びで水平に飛行してるんで、超絶違和感あり。こいつらミノフスキークラフトでも積んでんのかΣ(´A` )

 


そのロボットをみた娘が、お父さんがあそこにいる的な発言をします。この母娘、バリバリの白人で、パイロット3人の内、唯一の男は黒人。ん?

 


で、このかーちゃん、冒頭でPMC風の警備兵の男とアイラブユーのやり取りをしてるんですよ。ついでに、黒人も同僚女パイロットといい感じ。

 

はあ?そんなニュードラえもんシリーズが放ったドラえもん史上最大の衝撃、「静香ちゃんの本当の父親は?」的な、ムダに複雑でビミョーな要素をブッ込んでくる必要あんのかよ??

 


かといって、「実は娘は父親がただの警備兵とは知らなくて、ロボットのパイロットだと思ってました」なんて、もしもの場合の説明がある訳でもなく、事態はどんどん悪化していきます。

 

まず、楽勝の雰囲気フラグを見事に回収する、一度勝ったと思ってからのボロ負け。

そりゃ、ロボットの最大の武器が、何の変哲も無い単なるミサイルで、アメリカ人の大好きなガトリング砲の他は殴り合いだけじゃ、前作の愛らしいソ連製イェーガー、チェルノ・アルファにすら勝てませんて。

 

というか、ロボットといい、怪獣といい、明らかに前より小さくなってません?ロボットの見た目もモビルスーツっぽくスリムになっていて、全高20mほど?といったスケール感しかしません。

 

そして、反撃を受けて、とーちゃん?の黒人パイロットが息ができない〜、と非常事態に。

 


この非常事態にどうしたか?さあいよいよハリウッドお得意の、“無駄なヒロイズム&ご都合主義コンボ“炸裂ですよ。主人公&ヒロインの博士コンビが、警備兵運転のSUVで現場に急行です。

 

そう、ロボットがかなりの時間掛けて飛んで行った同じ本拠地から、車であっという間に現地到着です。本作最大のツッコミどころ。スープどころか、むき出しのピザも冷めない距離感にビックリです。
つかオスプレイは無理でも、ヘリくらいあるでしょ?!どんだけ低予算なんだ。

 

そして到着して救出に取り掛かりますが、有毒ガスにやられたんだろうという主人公の的確な判断もあるのに、ガスマスクも無しにコクピットに入っていく警備兵。続く主人公。って、お前もかーい!


ヒロインの博士も救急資格があるので一緒に来たが、主人公とヒロインは人類の切り札なのに、命を危険にさらし過ぎ。でも結局、黒人パイロットは助からず。

 

そうこうする内にも、再活性化した怪獣は暴れ続け、ようやく残り2体のロボットでトドメ。フィニッシュはフツーにミサイルで。

 

やっと倒して黒人パイロットの安否を心配する他2人の女パイロットだったが、うち1人は黒人パイロットと恋仲確定。むう、実に複雑な人間関係。

 


恋人死にましたー、でパニックになるが、この後映画自体もパニック映画になっていく。怪獣の死骸から、無数の虫型小怪獣が溢れ出てきたのだ。オイオイ、スターシップトルーパーズかよ。

 

でもこのための警備兵だったんですね。M4等の小火器で応戦する警備兵たち。大きさも人間より若干小さいくらいなので、都合良く効きます。クモ型小怪獣の見た目もまんまスターシップトルーパーズのアレ。まさかのCG流用?!

 

そして、このクモ型小怪獣は迷うことなくロボットの弱点である、コックピットのガラスにも襲い掛かります。で、割れる(笑)


負傷しつつハンドガンで撃退した女パイロット。あんなにウジャウジャいたのに、コックピットに侵入したのは2体のみ。

 


ほうほうの体で基地に帰り着いた主人公やパイロットたち。割れたガラスで軽く負傷した女パイロットの左目は、いつの間にか縦にキャプテンハーロックばりの切り傷がついています。

 

一方主人公たちは、毎度おなじみ定番のウイルス療法で駆除をするため、クモ型小型怪獣を確保し分析が始まります。

 


その頃、海底の怪獣の出入り口を攻撃するため、原子力潜水艦が核攻撃を仕掛ける作戦を開始。


しかし案の定、攻撃は失敗。というか、攻撃前に水中で垂直発射管が開いたところで映像が途切れ、自爆したことにされる。


思うに、予算が途切れて攻撃シーンのCGが作れなかったよーな気がしないでもない。

 

てかミリタリーファン(何度も言うがミリオタではない)としての細かいツッコミ所は、核魚雷で攻撃するなら、艦首か艦尾の魚雷発射管であって、垂直発射管ではない。水中を攻撃するのはクルーズミサイルや大陸間弾道弾じゃないんだから。

 


。。まあ一般視聴者はそんなところはスルーしてもらって、ウイルスもできたのでいよいよ最後の攻撃に。


が、負傷した女パイロットが感染症にかかり、残りの1人と共に隔離されてしまう。

 


さあ困った。誰が運転しよう?

 


こうしてロボットとのシンクロシステムを開発した主人公博士が、自分のデータがあるということことで、ついにパイロットになることに。なぜか操縦できる警備隊隊長とペアを組み、2体のロボットで出撃。

 

ええ、後は想像される通りですよ。主人公がウイルスを発射できなくなったピンチを、捨て駒役の警備隊隊長が命と引き換えにして攻撃成功。。と思いきや違います!!


なんとヒロイン博士が予備のウイルスを持って、例のSUVで現場に向かいます。いやいやいや、散布するならヘリがあるでしょ。なにもそんなリスクとらなくても。

 

しかも、運転する警備兵が、ビルに隠れている母娘を助けに行くことに。しかし、これでようやく「静香ちゃんの本当の父親は誰?」問題に答えが出ます。

 


どーでもいいですが、この警備兵と母娘のくだりはメインのストーリーには一切関わってこないので、なかっても良かったんじゃね?とは思います。


まあハリウッド映画にありがちな、家族の絆云々を表現したかったんでしょうな。

 


と、ここで警備隊隊長がやはり自爆特攻して命と引き換えにチャンスを作るベタな展開に。ご都合主義大嫌いな自分としては、主人公のお決まりの「Noooo!!!」の叫びにも反吐が出そうです。


しかし、主人公ロボットは隊長の犠牲むなしく撃退され、主人公は気を失ってしまうことに。

 

 

そこへ母娘救出後、親子を置いてそのまま車で現場に到着したヒロインが、コックピットまで来て主人公を起こしに掛かります。


あんたどれだけ危ない橋渡れば気がすむの?小怪獣もそこらにウヨウヨいて踊ってるし、大怪獣もすぐそばだよ。

 


と思いきや、実は主人公の捨て身の肉薄により、狙い通り怪獣の酸でウイルス容器が溶けて拡散し、大怪獣小怪獣もろとも退治していたのだ!説明されてたけど、反応が薄過ぎて伝わらなかったよ(:3 _ )=

 

 

ということで、地味な上に何から何までベタ過ぎる、パシフィックリム続編の感想および解説を終わります。


久しぶりに遭遇した、つまらないだけのC級を超える、ある意味面白い映画でした。
面倒くさがりの自分に、ツッコミを入れたいだけで、何年振りかの映画評を書かせるのは、もはや自分にとっては傑作といえます。もう一回観るか?と言われても、1人じゃ絶対イヤですがww

 

 

で、このクソレビューをヤフー映画で投稿しようとしたら、まさかの一万字超えでアップできず(笑)
でもリミットの2000字では語り尽くせないので、こっちに転載しました。

 

しかし、太平洋側でジプシーデンジャーとかのイェーガーが激闘している一方で、大西洋ではこんなショボくれたロボでの戦いが繰り広げられていたとは、なんか胸熱です。

 

 

さあ、勇者諸君!C級を超える、怒涛の映像体験に挑戦してみる勇気のある者はいないか!?

 

(੭˙꒳​˙)੭「観たら死ねるよ。保証する」

 

。。それにつけても、このポスター完全にアウト!ですよね〜( ◜︎◡︎‾)っ✂︎╰︎⋃︎╯︎

f:id:cheeriohappa:20181020231447p:image