東京の『行列マジック店』が嫌いな理由

 

おにぎり ぼんご 大塚本店 03-3910-5617 https://maps.app.goo.gl/nrDqgVNhCRht4Rnf6

 

#ぼんご#おにぎり#行列店がおいしいとは限らない

 

おにぎり超有名店「ぼんご」正直な感想。

『まずくはないが、典型的な東京行列マジック店』


チャーシュー麺で有名な北大塚ラーメンに行くも休み。近くの大勝軒も麺切れで閉店とのこと。


暗い中、トボトボとぼんごの前を通り過ぎると七、八人の列。担々麺でミシュラン店の鳴滝とかも年末のせいか、閉まっているみたいなので、仕方なく九時過ぎに並び始める。


と、前の若い女がワーワー中国語みたいなので電話し始め、嫌な予感がしたところ、後から来た仲間がシレッと割り込む!嫌な予感的中やん(=_=)


つい列の後ろに並ぶよう言ってしまったが、テイクアウトだからという謎理論で、逆にこっちが悪いような空気にされる。


頼むからこんな時、列の他の人は少しでもいいから声をあげて欲しい。こんな時周りの援護がないと、結局は声の大きい方が押し切ってしまいがちなのだ。そしてこの日も結局そうなってしまった。


一人くらい入れてもえーやんと思うかもしれないが、なら十人で割り込まれても黙ってるのかという話なのだ。

 

 

思えば、この時点で帰った方が正解だった。相手が本当にヤバい奴だったなら、下手すると誰かを呼んで報復されていたかもしれないし、人数の割りに異常に長く待つ必要もなかった。

 

 

しかしこの時は帰るのも悔しいし、外気温5℃近い寒い中、我慢で待つことなんと50分でようやく店内へ。

 

それにしても、お握りという、いわばファストフードで、幾らなんでも待たせ過ぎではないか。お握り100個頼む客がいる訳でもないだろうに。

 


酒の提供もなしにたった七、八人の列で50分も待たせるのは、オペレーションに欠陥があるのではと考えるのが、飲食業界の常識。

 

 

しかし思うに、これは行列こそが“店の看板”タイプの店なんだろう。

 

行列があるとつい並んでしまうのが、東京というか、日本人のかなしい習性なのだ。現に引っ掛かった。そりゃ誰でも、ガラガラの店と、行列の店があったら、行列店の方がおいしいと思うだろう。

 

 

店が意図的にそういった“演出”を作り出したかは疑問だが、実にスマートだとも思う。そして何より、お握りだけというのは、フードロスが飲食店としては驚異的に少ないと思われる。

 


つまり、ただでさえ低い原価率(一番高い筋子は560円で、十二分に売価に反映されている)を、さらに劇的に抑えることが可能なのである。

 

 

要するに、具の売り切れは看板(終売)にすれば、レア度が上がる上に、これまた不良在庫が減るという一石二鳥度なのだ。テレビの取材があれば三時間待ちもあるらしいし、経営者は笑いが止まらないだろう。

 

 

とまあ、半分やっかみで裏側を元同業者の視点から考察してみた。

 

 

 

さて、ここから味のレビュー。


味は確かに悪くはないものの、例えばうま過ぎて二度見してしまうとかではなかった。

 

頼んだのは一度冷凍した卵の卵黄だけを醤油に漬けた「らんおう」310円と、山形の味噌と唐辛子等を混ぜた郷土料理「ままけは」260円と豆腐の味噌汁80円(22時を過ぎると百円引き)。この「ままけは」はけっこう辛うまかった。


解凍後醤油漬け卵黄は、かつて自分でも作ったことがあるが、もう少し色がつくくらい漬けた方が好みだった。ぼんごのはほぼ卵黄まんまの黄色。


家で作っても簡単に出来るが、醤油より、味噌漬けの方がおいしかった。

 

 

また、お握りとしては、ものすごーくふんわりと包むみたいに作っていて、握っても結んでもないので、大きめなのにふんわり過ぎる。箸で食べているとすぐバラバラに分解しそうになった。


というか、いつの間にか、海苔を中にして裏表ひっくり返りそうになるのを、ぐちゃぐちゃになりながらまとめつつ食べた感じ。せめて最後まで形を保てているのが、お握りなのでは?

 

と思ってたら、隣のお兄さんは手で持って食べてたので、そりゃお握りだからそれが正解だろう。気づくのが遅かった。

 

 

お代わり自由の味噌汁を一回お代わりし、それなりの満足感を得て店を出る。客の列は十人以上に伸びていた。寒い中、並ぶのも調味料の老舗。好きな人には堪らないんだろう。

自分はマゾでもないのでもう充分かな。

 

しかし結局、それだけ待つ対価としては、食感含めた味に見るべき点はなかった。

 

 

思うに、ご飯に塩をしていないために、必ずしも炊き立てではないご飯に、米やお握り本来のうまさを感じなかったからではないだろうか。


家で炊き立て熱々のご飯を、手に塩水つけながら握った方が、具なしでも米の甘さを強く感じれて遥かにおいしい。海苔巻くだけでもはやご馳走レベル。


一方、ぼんごのは、作り方からすると、厳密にはお握りではないだろう。具入りご飯を海苔でくるんだ、というのが実態に近い。ふんわり柔らかければ、それで良いのかとは疑問に思う。

 

「結論」

メディアの取材で行列が伸び、さらにそれを維持するための戦術で、今でも行列が伸び続けている。

 

味はとりたてて見るべき点は特にないものの、トータルでの巧みな戦略が光る有名店だった。売れる方程式を構築すれば、あとは勝手に売れていく。