アムロの青色ゼリーはどんな味?


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「青色ゼリーは何の味?!」


さて恒例となった仕事後金曜アクティビティー。 午後四時からちょうど入館自由になる、 国会図書館に行くことが多かったのだが、 今日はあるところを予約済み。

 


そう、2022年1月30日をもって閉店となる、 秋葉原ガンダムカフェ本店へと初めて行ってみたのだ。

 


いや、前からずっと行ってみたいとは思っていたのだが、 閉店が決まってから初めて行くというのは、 ファンとして実に申し訳ない。

 

インバウンド客が途絶えたので、 採算的にも難しくなったのが直接の理由とは思うが、 内需だけで店を支えられなかったのは本当に残念。 ガンダムのコンテンツ力が、改めて問われているのだと感じる

 


タクシーの仕事をしていた時は、 裏技的に秋葉原駅のタクシー専用待機スペースに車を停め、 よくランチに行っていた。 ガラガラのタクシー専用待機スペースは、 タクシー専用の無料駐車場にもなるのだ。

数少ない、タクシー乗りならではの役得ではあった。

 


そのついでに、 目の前のガンダムカフェにはちょこちょこ寄ることはあったのだが 、物販スペースの冷やかしのみで、 飲食店として魅力を感じたことはなかった。

 


ビミョーに高めな値付けもそうだったが、 シャアザクライスとか言われても、「で?」 と思って食指が動かなかったのが実際のところだった。

 


が、2019年だかに大幅なリニューアルがあり、 なんと戦艦の窓からの眺めが見れるような巨大スクリーンを前に食事できるようになる。

 


さらに、メニューも駄ジャレメニューから、 アムロパイロット食のような、 劇中で登場したメニューの再現食が登場し、 これこそファンの求めていたガンダムメニューだと、 いつか行くことが楽しみとなっていた。
ただ、行くなら一人ではなく、誰かと一緒に楽しみたかった。

 


しかし、それからコロナ禍に突入し、 自分もタクシードライバーを辞めたり、再就職したりで、 ガンダムカフェの存在もいつしか忘れてしまっていた。


だから、 ガンダムカフェ閉店のニュースで衝撃を受けたガンダムファンは、 自分を含め、相当いるはず。

 


初来店が最期の訪問になるであろうことは残念なものの、 しっかりレビューして、 自分の中の、食の文化遺産リストに加えておこうと思います。


一度失敗した以上、 企業組織が常設ガンダム飲食店に再度投資する可能性は限りなく低く、 だからこそより貴重な体験であると感じます。

 

 


いよいよガンダムカフェ本丸へ


まずエントランスを入ると右に人間サイズのシャアザクがお出迎え 。 その奥の部屋がジオン軍の士官室を模した飲食スペースになっている(つまり連邦とジオンの二種類の飲食スペースがある)。


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左は物販スペースが広がっていて、 正面のカウンターで入店手続き。 スマホの画面で予約の確認をしてもらい、 初めての人は番号が書かれた紙を受け取り連邦側の店内へ(ジオン軍の飲食スペースは土日のみ?)。


暗い広いスペースは、 左手壁面全体が巨大なスクリーンとなっている。 それに正対する形で、横並びで客が何列も座ることとなる。
案内してもらった一人分のスペースは、 ちょうど学校の机くらいで、両脇に透明のパーティションがある。 一枠の時間は90分で、 スクリーンの上映内容は一通り観れるそう。


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メニュー表はなく、 テーブルのQRコードスマホで読み取って選び、 店員を呼び止め、口頭でオーダーする。 ハイテクなのかローテクなのかよく分からん😵

 


アムロパイロット食(1430円)」と「総統の孤独( 660円)」を注文。「総統の孤独」とは、 ウイスキーとナッツのセットである。

 

 


思ったよりは戦艦の窓感はないかな。。


正面の巨大スクリーンに映し出されるガンダムを眺めながら、 先に来たウイスキーオンザロックを一口。


が、思わず噴きそうになる。もともとゲコな上に、ハイボールやレモンサワーに慣れた舌だと、 ストレートは濃すぎだった。

それでも、 付け合わせのカシューナッツのロースト加減と塩加減がちょうど良く、交互にチビチビやりながら映像も楽しむ。


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映像は、各主人公たちがレポートをする形で進んでゆき、 五分くらいの短い尺でどんどん変わる。

まあ再編集なのだが、 0800のバーニィで泣きそうになるのは分かるものの、 ドモンを見ても涙が出そうになるのは意外だった。 実はGガンダムも途中で何故か視聴を止めてしまい、まだ全部観ていないのに。。

 


あ、それと、カミーユ役の飛田展男さんの声が、 最初聞いた瞬間には誰か分からないくらい変わってしまっていた。 悪役とかやり過ぎたからだろうか??

 

 


謎の青ゼリーの味とは?


ようやく「アムロパイロット食」が運ばれてくる。 来店特典の二つは、ハサウェイとGガンダム

ごめんなさい。閃光のハサウェイは昔小説読んだのに、まだ観れていない(段々、 ファンと言って良いのか不安になってきた)。


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それにしても、トレイに載ったパイロット食、 想像していたよりもはるかにボリュームがある。 4枚切りトーストで作ったような分厚いサンドイッチが二つに、 エビサラダ、フライドポテト、ポトフ風スープ、 そして謎の青いゼリー。


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薄暗いので分かり辛いが、サンドイッチはゆで玉子のと、 食べて分かったニンジンメインの二種類。

 


このニンジンサンドイッチがおいしかった。 ニンジンラペみたいな、 マリネしたジューシーな細切りニンジンがたっぷりと、 おそらくローストチキンみたいな何かが入っていて、 当たり前のようにおいしいのだ。これは意外。コウもこれなら食べれるんじゃないだろうか。

 

 


ただ、ゆで玉子サンドといい、 耳つきの4枚切りくらいある分厚い食パン( しかもご丁寧にトーストしてある)に、 たっぷり具材を挟んであり、 男でもカバくらい口を開けないと口に入らない。 女性だとどうやって食べたらいいのか、 途方にくれるのではないだろうか。

 

 


フライドポテトが冷めてるを通り越して冷たいのは残念だったが、 ポトフ風スープはちゃんと温かく、 サラダもエビ入りでそれなりにおいしい。そしてレンチ形のニンジンの遊び心。


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それにしても、味も基本的に悪くないのだが、 ボリュームがホントにすごい。映像を観ながらなので、 ゆっくり食べるせいもあり、 サンドイッチとポテトがなかなか減らない。 イメージしていた分量より、1.5倍以上ある感じ。 女性では食べ切れない人も多いだろう。

 


スープとウイスキーで流し込み、 ようやくデザートの謎の青ゼリーにたどり着く。
しかし、もはや食欲は跡形もなく消え去っており、 これまたデカい青い物体を、 アムロのように所在なさげにつつくばかり。

給食のゼリーくらいのサイズと思いきや、ビスコの箱くらいのサイズ感。まったく食指が動かない。


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そーいえば、海外では青いケーキをよく売ってたな~。 こんな真っ青の物体には日本人は食指が動かないが、アムロも「 こんなん食えるか」とか思ってたのかな。。

 


すでに常温になったゼリーに、緩慢にフォークを突き立て、口に運んでみる。

 


うん、味も海外のスーパーで売っている、 自分で作る粉末ゼリーの味。ラムネのような、 謎のフルーツのような、かためのしっかりしたゼリー。まずいとまではいかないが、おいしくもない。 黙々と完食。ご馳走さまでした。

 


スクリーンでは二周めの映像の上映が始まっていたが、もうみているし単なる切り貼り動画なので、レストランを出ることにした。名シーン集だったらもっと良かったかな。

さて、残るは物販コーナー。

 

 


感想と勝手な分析


デザートというには少々残念だったものの、 全体としては至極真っ当な食事とドリンクで、 スクリーンショー込みで二千円としたら、 逆に安いのではと思った。

 


ホテルの芸能人ディナーショーは数万円するのが当たり前だし、 女性客がほとんどだったことも意外だった。 閉店してしまうのが本当に残念でもある。

 

 


が、閉店に至る構造的な問題はちらほら感じることはあった。
まず一週間前に予約を入れたのだが、 土日の予約枠が閉店の1月末まで、 ビッシリ埋まっているのに対し、 平日は真っ白だったこともそうだった。

 


要するに、ハレの日の消費行動としてしか定着せず、 日常的な飲食店としては価格帯も高めで、 使い勝手が悪かったのである。

 


いくら土日は満席でも、 平日も家賃や人件費等の固定費が掛かる以上、 実働二日間だけでそれをペイすることは不可能に近い。

 


そして、一度行けば満足してしまうことも、 インバウンド狙い以外に、 リピーターの普段使い狙いという思惑が外れる結果となったのだと感じる。

 


また、独身女性が多かったことも、裏を返せば既婚男性、 独身男性ともに想定したほど来店していないということが窺える。
要するに、 メインターゲットである団塊ジュニアの大人の男の子のハートには刺さらなかったのだろう。

 


もっと、ここでしか体験出来ないコンテンツに力を注いで、 声優ディナーショーとかやれば違う可能性があった気もするが、 一度テコ入れに失敗した以上、予算もさほど付かなかったのでは。
赤字垂れ流し状態は想像に難くないので、経営判断としては、 閉店は当たり前のことでもある。

 


なんかチグハグ


それにしても、このレストランに限ったことではないが、ステークホルダー(権利保有者)であるバンダイサンライズは、 ガンダムで儲けたいのは山々だろうが、 何か間違っちょるとしか言いようがない。

 


この日も、エントリーグレードのガンプラの、 ガンダムフル武装セットを探し歩いたのだが、 天下の秋葉原にも関わらず、 ヨドバシもどこもガンプラ自体がほとんど売っていない。

 


かと思えば、旧キットの1/ 60のゲルググとかの巨大ガンプラは大量に売ってたりと、 需要と供給があまりにもチグハグ過ぎる。 大幅改造が必要な旧キットなんて、 本職のモデラーくらいしか買わないだろうに(=_=)

 


不人気キットしか売れ残っていないのが現状だとしても、 エントリーグレードくらいは大量生産してほしいものではある。 新規ファンを増やさないことには、 コンテンツとしてはジリ貧は不可避なのはずっと言われているのに 。

 

作例が飾ってはあるものの、その作例のガンプラが例えば30体くらいあるとして、1~2種類くらいしか売っていないのは異常としか言いようがない。せっかく実物でカッコ良いと思っても、ほとんど在庫されていないのだ。そこまで転売問題は深刻なのだろうか?

 

他のプラモとかは、こんな初めて見た、実在していたかも不明な兵器までモデル化されているのに、実に憂慮すべき事態ではないだろうか。


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余談だが、「オブソリート」のプラモは同じヨドバシカメラにそこそこ売っていた。ボトムズファンはレッドショルダーバージョンを買うべきだとは思う。

 

自分が買わなかった理由としては、手持ち武器が通称ダッシュKより、剥き出しのM2の方が似合うと思うからだが、なんかもーしわけない(ヽ´ω`)


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物販、物販、また物販


他にもガンダム関連の服を売っているのは、 面白いとは思うものの、 ガンダムのチャンチャンコなんて誰が買うのだろう。 しかも数万円もする。
Tシャツにしても、これ見よがしなデザインばかりで、 恥ずかしくて外で着れないものばかり。さりげなくでいいの。 分かる人だけ分かる、渋いデザインのを出してほしい。

 


とまあ、あんまりブーブー言っていると、 買わないだけの冷やかしと思われるかもしれないので、 ガンダムグッズをちゃんと買っていることも言っておこう。

 


眼鏡チェーンOwndaysコラボのザクモデルの眼鏡を買ったのだが、 これがなんとゆーか、ダサい普通の金属ブチの眼鏡(ガンダム白、シャアザク赤、ドム紫、ザク深緑のイメージカラー)。 自分が掛けるとまんまオタクにしか見えない。いや、 ゆーてオタクですけれども(=_=)


なんか、デザイナーに「オタクなんてこんなモンでえーんや」 とでも言われているようで不愉快になる。

 


なので、付属のレンズですぐサングラスになるのは良いものの、 あまりにダサ過ぎて運転専用になってしまった。


百式モデルも出たらしいが、同じダサデザインで金色とか、 どんな罰ゲームだよと思った。作ったやつ、 絶対ガンダムファンを馬鹿にしてるわ。


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なので改めてガンダムグッズ開発者に声を大にして伝えたいのだが 、普段使い出来るセンスまでにとどめてほしい。痛々しいのは、 痛車のみで充分ではないだろうか。


ガンダムのGshockも、 トリコロールカラーの配色がこれ見よがし過ぎて、 なんかカッコ悪かった。

 

 


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闇鍋用ラーメン


ということで、ガンダムカフェ訪問記でした。お土産は「ビグザム やらせはせん用麺」だけ買って帰りました。力が程よく抜けていて、これは面白い。


シャアザクラーメンもあったのだが、3個分入っているというだけの面白さのなさなので見送った。「三倍早く伸びるラーメン」 とかだったら買っていたかも知れない。

 

 

ということで、もうすぐ閉店となるガンダムカフェレポートでした。少し辛口になってしまったかもしれないが、ガンダムファン向けに再現食を提供してくれたことには感謝しかない。

 

惜しむらくは、コロナウイルスでインバウンド客が消えてしまい、運営そのものが立ち行かなくなってしまったことだが、ジオン軍の士官室をイメージした飲食店なんか、実に面白い。

 

そういえば、ジオン軍をモチーフにしたお好み焼き屋さんか居酒屋があったような気がするが、そこもいつか行ってみたいものである。