地下神殿に宇宙世紀を感じた日

念願の地下神殿!こいつぁーすげーや!!MSデッキみたいじゃ。


f:id:cheeriohappa:20210407011556j:image


前日金曜日の夜中に首都圏外郭放水路(通称、地下神殿)HPをなんとなくチェックしていると、14:00からの地下神殿のみ千円のコースが1人だけ空きがあった。勢いで予約。

 

巨大建造物フェチとしては、ずっと前から行って見たかったのもあるが、「翔んで埼玉」を最近観たら、地下神殿でのシーンがあった。これは行かねばなるまい。

 

 

春日部まで、バッグと折り畳み自転車インで電車に乗る、初輪行を試みたが、膠着したか折り畳み方法を忘れていたかで折り畳めず断念。マイガッ( ´Д`)

 

 

 

なので春日部市場はあきらめて、春日部手前の駅で降りてランチを済ませ(残念ながらランチはハズレだった)、また電車で最寄り駅の南桜井駅まで行く。

 

Google マップでの「レストラン ピノ」のクチコミを共有します
https://goo.gl/maps/uMCSXe4EMMsi6Gd3A

 

バスがあるだろうと思っていたら、月水金だけ運行という謎のタイムテーブル。


今日は土曜日、しかも祝日なのである訳もなく歩く。まあ想定内。2km強あるが、一時間あるのでのんびり散歩。

 

 

実に風合いのある、農家の間を抜けて歩いていると、まだ桜は一分咲きほどだが、日差しが強くどんどん暑くなってくる。コート着て来なくて良かった~。

 

 

土筆は野菜で一番おいしい

 

地下神殿手前の公園まで来て、懐かしい匂いに春を実感する。甘酸っぱいような野山特有の春の香り。上京して二年半、初めてこの香りに遭遇したが、田舎もやっぱりいいな~。つくし食べたいな~。

 

はかま取りが大変だが、よく炒めて砂糖と醤油で煮れば、ほろ苦さが最高の旨みへと変わり、野菜(山菜にとどまらず)の中では一番美味しいと思う。

胞子がなくなったのも、それはそれでうまいし。

 


という話を他の人にすると、つくしを食べたことがないか、つくしは散歩道に勝手に生えているもので、犬のオシッコで汚染されているものと思われているのか、実にビミョーな反応をされる。

 

そんな場所のなんて採りませんよー。庭にいっぱい生えるからです。


同じく庭でとれた、ふきのとうやウドも、ふき味噌や天ぷらにすると最高♪( *´艸)

 

 



f:id:cheeriohappa:20210407012020j:image

。。脱線した。

 

そんなこんなで外郭放水路調圧水槽(正式名称)に余裕をもって到着。併設のミュージアム龍Q館内で受け付けを済ませ、展示物を見学。やはり数々の映画やテレビでロケに使われたようで、写真やサインが沢山展示してある。Tシャツ2500円。微妙。

 


f:id:cheeriohappa:20210407012100j:image
f:id:cheeriohappa:20210407012120j:image
f:id:cheeriohappa:20210407011952j:image


 

床一面に埼玉県を中心とした、広域航空写真があり、なかなか見飽きない。


f:id:cheeriohappa:20210407011815j:image

f:id:cheeriohappa:20210407011900j:image


 

五分前になったので、入り口サッカー場近くにあった地下神殿入り口の集合場所まで歩く。微妙に遠いので、も少し早めに移動した方が良かった。

 

 

点呼とかはなく、案内のお姉さんの説明を聞いた後、人数だけカウントされて階段を下っていく。

 

百段以上あるので身構えていたが、思ったより登りもそんなに辛くはなかった。


f:id:cheeriohappa:20210407012248j:image

 

それより驚いたのが、地下空間の広大さと、寒さだった。特に寒さ。ひんやり肌寒い。お姉さんに訊くと、10度とのこと。夏でも20度くらいらしい。


f:id:cheeriohappa:20210407012321j:image

 

10度だと、薄着だと快適に感じる範囲をわずかに下回る。羽織るものが欲しくなる。

 

ウィンドブレーカー(十年以上使っているドイツ連邦軍放出品。ボロいがなかなかヘタらない上、簡易雨ガッパにもなる優れもの)を出すか迷うが、シュマーグ(これも十年選手のアフガンストール)を巻いてちょうど良い感じ。

 


f:id:cheeriohappa:20210407012350j:image


地下空間の広大さは、やはり実際に見てみないと実感が湧かない。

 

天井までが18m。てことは巨大な柱がちょうどガンダムサイズ。スンゲー!超巨大なモビルスーツ格納庫みたい。


f:id:cheeriohappa:20210407012412j:image
f:id:cheeriohappa:20210407012439j:image

 

幅78m×奥行き177mもあり、柱の数は59本。

ちなみに、ホワイトベース全長262mで、戦艦大和とほぼ一緒。全高は100m弱。

アーガマは全長380mとこれまた大きいが、艦内空間が、この地下神殿に匹敵するくらいだろうか。


f:id:cheeriohappa:20210407011556j:image

 

てか、こんな高さのモビルスーツデッキという空間が内部にあるってだけで(実際にはもっと高い)、ホワイトベースアーガマの巨大さにジワジワやられる。


こりゃえーもん見れた。

 

 


階段では写真撮影が禁止だったが、地下神殿底では15分くらい自由時間があり、あまり奥には行けないが、撮影OKとなる。

 


高さ71mもある第一立杭(たてこう)も見えるが、こっちはただの巨大な縦穴なので、近づくことも出来ない。

見学するには、第一立杭ツアー三千円に参加するしかないが(ハーネスをつける必要がある)、大人気なのでなかなか空きが出ない。


f:id:cheeriohappa:20210407012608j:image

 


ところどころ水に含まれる白い石灰分が、石灰石化して硬くなって盛り上がり、垂れているところがある。鍾乳石ってこんな風に出来るんだなーとリアルに感じた。

地下神殿も、あと何万年かすると、巨大鍾乳洞みたいになっているんだろうか。

 

おそらく、それまでに外宇宙に出ていなければ、人類なんてとっくに滅びているだろうが、ちょっとロマンがある。


f:id:cheeriohappa:20210407012629j:image

 


見学が終了し、再度人数をカウントされながら、ソーシャルディスタンスを取りつつ階段を登る。

 


地上に出るとそのまま自由解散で、その足で南桜井駅へ来た道を戻る。近くに道の駅があるので行きたかったが、また機会がある時に取っておこう。

 

今回は、雨がしばらく降っていなかったこともあり、普通の靴で問題なかったが、地元の人は長靴で参加している人もいた。

あと、臭いもあまりなかったが、豪雨の後とかで堆積物が残っている時なんかは、それなりに臭うらしい。

 

 


しかし何しろ、巨大建造物には度肝を抜かれっぱなしだった。

世界最大の立像、牛久大仏もそうだったが、この地下神殿も、世界中から来るインバウンド客を連れてくる価値が充分以上にあると思う。これこそ、理屈抜きのクールジャパンそのものである。

 

春日部で蕎麦打ち体験もできるらしく、凧揚げも有名なのは知らなかった。何気に、外国人向けの観光ポテンシャルは高い。

 

日本人にはつまらなく思えることや景色でも、欧米人アジア人問わず、意外なところに食いついてきたりで面白い。

 

コロナが開けたら、地方の観光リソースにもっと光が当たれば、日本もさらに面白くなるのになーと感じた。

 

 

 

 

吉川の有名なカレー店へ行ってみた

 

 

それから越谷まで帰り、武蔵野線に乗り換えて吉川駅まで行き、無料レンタサイクル(夜9時まで借りられる)に乗って「インディー」というカレー屋へ。


f:id:cheeriohappa:20210407012800j:image


仕事の先輩オススメだったので、いつか来てみたかったのだ。ドライカレー大盛り1100円。


f:id:cheeriohappa:20210407012734j:image


あまり辛くはなかったが、じんわり旨い(辛さ十倍がベストらしい)。クミンがもっと効いている方が好みだが、それでもおいしい。コールスローの箸休めも良かった。

 


らっきょう、福神漬けをそれぞれ刻んだレリッシュと、レーズンが薬味入れで来るのもうれしい。

ただ、レーズンがほんのわずかだが妙な味がした。学生時代、一度食中毒になってから(笑)、傷みに超敏感になっているのだ。


f:id:cheeriohappa:20210407012837j:image

 

ちょっと感動したのが、食べ終わるのを見計らって、ほんのちょっぴりだけどバニラアイスを持ってきてくれたこと。これは顧客満足度爆上がりに違いない。


f:id:cheeriohappa:20210407012904j:image

そーなの。デザートまではいかなくても、一口甘いもの欲しくなんのよ!

 

 

 


ということで、充実した一日だった。帰り道に先輩にお礼をLINEしようとした時、津波注意報の後、仙台で震度五強の地震の速報が入った。

 


先輩は仙台出身なので、とりあえず邪魔はしないようにLINEを一旦保留する。仙台に住んでいる方々大丈夫でしたか??

# 祝!角田選手デビュー戦入賞♪


Formula 1 on Twitter: "👏 @yukitsunoda07 became the first Japanese driver to score points on debut! And here's how he did it - sit back, relax and enjoy 🍿 #BahrainGP 🇧🇭 #F1 @AlphaTauriF1… https://t.co/CLopJeTEzD"

 

# 祝!角田選手デビュ**ー戦入賞♪


角田選手デビュー戦を応援したいがテレビがない。

 

ネットでもほぼリアルタイムで情報は入ってくるが、やっぱり映像で見たいと、いてもたってもいられなくなり、わざわざ池袋のネットカフェまで行ってみる。

 

 

中継開始は深夜0時から。終電近くに池袋駅に降りると、コロナ緊急事態宣言明けもあり、そこそこの人出。

 

 


行きつけのネットカフェに、マックのポテトとチョコいちごパイを買って入ったのが23:30。

 


読みかけのヴィンランドサガとドリンクとカレーを持って、フラットブースにこもる。

 


DAZN(ダゾーン)のF1チャンネルは二つあり、コースや各順位が同時に映るのもあるが、画面が2画面で小さくなるので、もっぱら1画面の通常版で観戦する。

 


食べ終わる頃レース開始が近づく。

 


と、フォーメーションラップ中にいきなりペレスのマシンがシャットダウン。ピットスタートとなってしまう。この時点で、レッドブルの戦略は、いつものフェルスタッペン頼みオンリーとなってしまう。

 


レーススタート。角田順位を下げるが、無理をしないのも彼の良いところ。F2の頃のように、後半戦勝負なんだろう。

 


フェルスタッペンは順調にトップを走っている。よしよし。

 

ぬおー!ガスリー何ブツけてるの~。

 

 


レースも中盤に入り、バトルが激しくなってくる。タイヤ交換でハミルトンがトップに。レッドブル何やっとんじゃーい!レース戦略のあのお姉さんはどしたの??

 


それにしても、ペレスの最後尾からの追い上げが凄い。オーバーテイクショー。

 


しかし、我らが角田選手も見事な追い越しを披露し始める。


かなりの距離があっても、スルスルスルっと距離を縮め、レイトブレーキングで一気に抜き去っていく。

 

 


この日、角田選手のオーバーテイクは計八回。撃墜記録8。


しかも、歴代チャンピオンを、ベッテル二回、アロンソ一回、ライコネン一回と、合計四回も追い抜いている。

 

 

いや、もうトンデモないとしか言いようがない。マシン差があるとはいえ、直線でパスするのではなく、全部ブレーキングで仕留めている。

 


歴戦の手練れたちが譲ってくれたのは、接触を避けるため、コーナー飛び込み時くらいのはず。


角田選手がブレーキをミスすれば、タイヤにフラットスポットを作ったり、オーバーランして、すぐ抜き返せるから、きつくブロックしなかっただけの話なのだ。


また、ライコネンに仕掛けた時は、ライコネンがインを絞るが、すかさずアウトにかわして無理せずパスするのなんか、とても新人とは思えない。

 


それを一度も失敗することもなく、タイヤにもマシンにも負担を掛けず(タイヤスモークも上がらないほど)、世界中が驚愕するほどのオーバーテイクショーを見せつけたのである。

 

 


レース直後のインタビューでは、角田選手はさっそくの二番目にインタビューを受けていた。

 

ドライバーズオブザデイに選ばれたのは最下位から五位入賞したペレス選手だったが、観戦者の記憶に焼きついたのは、間違いなく、デビュー戦で見事九位入賞した角田選手だった。

 

 


ちなみに、後日のインタビューで、角田選手は興味深いことを答えている。


アロンソをただオーバーテイクしただけでなく、彼から走りを学ぶ、というより盗んでいたそうなのだ(良い意味で)。


「2、3周、彼の後ろを走ったことで、彼から学びました。彼がコーナーでどのようにタイヤをマネージするか、ひとつひとつのコーナーをどう走るのかを見ていたのです。彼をパスした後、彼の走りを真似してみました。いくつかのコーナーでは僕のマシンでも効果がありました」

 

 

いやはや、これだけの度胸と学習能力があるなんて、思っている以上に大物であり、傑物であると感じます。

 


それにしても、観ているだけで手汗がにじんでくるような緊張感とワクワク感は、伝説のモナコでのセナ対マンセルの時のようでした。今年のF1は、角田選手を観戦しているだけで、かなり楽しませてくれる感じですね!

 

これは鈴鹿も盛り上がるでしょうねー。せめて、無観客で開催しないようにしてもらいたいものです。


たとえ自分は行けなくても、観客席の応援メッセージがあるだけでも、選手のみんなに日本人の気持ちが伝わる感じがするので。

  

 

 

# 一方、トップ争いの**方では


そしてもう一つの注目点、ラストイヤーとなる、レッドブルホンダの優勝争いです。

 

 

まあこれも、全世界のF1ファンの意見と一緒です。ネットで世界中から突っ込まれまくっています(メルセデス公式が、スエズ運河の事故貨物船をF1マシンで引っ張るコラをアップして、大炎上)。

 


メルセデス、そしてハミルトン。勝てれば何やってもいいんかい!それが王者のやることか!!
 


トラックリミットは決勝では監視しない?なんだその通達?!

 

そんなん出すからメルセデスは二台ともオーバーランしてタイムアップとタイヤ温存も出来たんじゃないか!

 


それを分かってて、決勝だけやったメルセデス。汚い、実に汚い。ホンダの勝利を泥棒しやがって。おいちゃん悔しい..(´Д⊂

 

 


だいたいフェルスタッペンは、エイペックスで車半分ハミルトンより前に出ていた。

普通ならそこで引くものだが、意地でも引かず、あまつさえスペースを残さなかったのもあって、フェルスタッペンははみ出さざるを得なかったとも取れる。

 

 


対して、ハミルトンはそれまで縁石のないところまで、あきれるほど大幅にラインを取ったりもしていた。

それも29回(!)というから、一回0.2秒、合計6秒近いアドバンテージになると騒がれている。チートそのものである。

 

 

そして何より、タイヤ温存も出来ていたから、最後逃げ切ることも可能だった。誰がみても、フェルスタッペンよりよっぽど利益を得ているのだ。

 

 


そして挙げ句に、レースディレクターのマイケル・マシは開き直る始末。

メルセデスが二台とも毎周そんな走りしてたのに警告も出さず、オーバーテイク後ハミルトンが文句言ったら、即レッドブルには順位を譲る指示とは、忖度も甚だしい。

 

 


。。セナが鈴鹿で、プロストの抗議で優勝取り消されたの思い出した。


プロストはセナと接触後、マシンから一目散に走りながら、FIAの当時の会長に会いに行っていた。セナのドキュメンタリー映画に映像が残っている。

 


それこそ、王者の器のないハミルトンだから、わざとハメたって可能性すらある。去年の開幕戦だって、パスされそうになったハミルトンは、故意にアルボンにぶつけたようにも見えた。


そして、今回もフェルスタッペンをブロックするのに、ミラーでチェックしながら、幅寄せに近い、かなりえげつないライン取りもしている。

 

これまでも、チャンピオンらしからぬ、ズル賢さだけはピカイチのハミルトンだから、わざとターン4でフェルスタッペンに仕掛けさせた上で、引かずにスペースをなくして押し出したとも取れる。

 

 


そもそも普通なら、ギリギリのレースを制したハミルトンが、ドライバーオブザデイに選ばれていても不思議ではない。

 

 

しかし、それに漏れたことに“誰も”違和感を感じていないところに、ハミルトンらしさが出ている。誰一人、彼をクリーンとは認めていないのだ。ドライバーズオブザデイは、観戦者の投票で決まるからである。


 

ということで、見どころの多い、そして疲れた開幕戦だった。角田選手もよく頑張った!

 

しかし、レッドブルはこの一戦が、後々響いてこなければと一抹の不安を感じた。ペレスのマシンがシャットダウンしたのも、早く原因が分かると良いのだが。

 

 

角田選手のニュースが増えてきたので、角田選手伝説を追記していっています。うれしいですね~。日本の選手が世界を賑わすのは。

 

F1はWRCと並んで、世界最高峰のモータースポーツカテゴリーですもんね!

 

インディー500で二度勝った琢磨も凄いけど、モータースポーツファンとして、F1とWRCは、やはりインディーともル・マンとも別物です。

 

そこで実力で勝利できるだけの日本人が、ついに出てきたことに感慨深いものがあります。みんなで応援していきましょう‼️

 

 

F1角田選手まとめ。ガンダムとスタメンオーダー例え - 海外でサバゲをやってみた Ninja St☮g plays Airsoft in the world

 

F1角田選手まとめ。ガンダムとスタメンオーダー例え

角田選手の伝説一覧(日々更新)2021/4/1現在

○2021/4/1
米国スポーツチャンネル『ESPN』が現時点での判定を下している。
 テーマは「角田は本物か?」で、判定はイエス。「日曜日に見せた追い抜きの際のブレーキさばきは、現役F1ドライバーで最もブレーキングが上手いといわれるダニエル・リカルドマクラーレン)に匹敵する。開幕戦では経験のなさを感じさせる場面もあったが、今後、一戦ごとにパフォーマンスは向上し、より魅力的になるはずだ。レッドブルは、将来のドライバー候補として注意を払うだろう」とポジティブな記述に終始している。

○2021/3/31
アロンソをただオーバーテイクしただけでなく、彼から走りを学んでいた。
「2、3周、彼の後ろを走ったことで、彼から学びました。彼がコーナーでどのようにタイヤをマネージするか、ひとつひとつのコーナーをどう走るのかを見ていたのです。彼をパスした後、彼の走りを真似してみました。いくつかのコーナーでは僕のマシンでも効果がありました」

https://twitter.com/F1/status/1376836851168735238?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1376836851168735238%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_c10&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.as-web.jp%2Ff1%2F683291

とんでもない日本人ドライバーが今年2021年からF1デビューする。


角田祐樹。親しみを込めて、つのだ★ゆうき選手と呼ばせてもらおうと思う。

 

いや、まだファン歴短いので、東京03のカクちゃんについ引っ張られてしまうもので。。

f:id:cheeriohappa:20210322000159j:plain


この日本人ルーキーがどれだけ凄いか、最速伝説打線で説明させて頂こうとピックアップしてみたが、まだF1デビュー前なのに、リアルカペタと呼ばれるごとく、一つひとつのエピソードが漫画クラス。


いや、ボクシングの井上尚弥チャンピオンが漫画というフィクションをすでに超えてしまっているのと同様に、もはや笑ってしまうくらいスゴい。

 

何しろ、つい先日の2021年開幕前最後のテストで、現役最速と言われるフェルスタッペンにコンマ0.093秒の僅差で、二位のタイムを叩き出したのだ。
300km/hで1mの差が0.012秒らしいので、瞬きもできないくらいのわずか数メートルの差である。


しかもである。F1公式YouTubeのフェルスタッペンとのベストラップの比較動画を見てみると、三分割されたセクターの、第1と第3セクターは角田選手の方が速い。


かつてルーキー時点でそんな目を見張る活躍を見せたのは、歴代チャンピオンクラスの中でも、限られたドライバーしかいない。

YouTubeコメントでも、背が小さいから空気抵抗が小さいだの、それは差別だのと議論が沸騰している。

 

Verstappen vs Tsunoda Fastest Lap Comparison | 2021 Pre-Season Testing - YouTube

しかし、そんなとんでもない逸材なのにもかかわらず、日本のマスコミは見てみぬふりをしている(訂正。結構インタビュー受けてました)。


いやいやいや、世界中のモータースポーツニュースでモルカー並みの大騒ぎだよ。

 

ということで、例えがちょっと違うという感がしないでもないが、とにかくツノッチは逸材なのである。

 

 

ガンダム例えるなら


そう、ガンダムで例えるなら、それまで勝てなかったジオン軍(日本人)が、後期型とはいえザクという非力な機体(ミドル集団のアルファタウリ)で、ガンダム(トップエンドチームレッドブルのエース)と相討ちまで持ち込んだ、バーニー(新兵)そのものと言えるだろう(見た目はカツだが)。

 

いやそれどころか、角田選手は“ニュータイプ”なのではないだろうか。

 

これまでも、タクマやカムイは日本人としては速かったが、ツノダは現時点でもレベルが違う。ようやく日本人が世界トップと互角に争えるまで来たのだ。気が早いが、悲願の日本人F1初勝利も全然夢ではない。

 

いや、本人はチャンピオンになると言い切っているのだ。これまでの日本人ならビッグマウスだのと笑われただろうが、知ってか知らずか欧米のマスコミにそれを揶揄する空気はない。

 

が、しかし、遅かれ早かれ角田選手の、“八度”の年間チャンピオンを目指すという発言が欧米のメディアに取り上げられるはず。

 

要するに、歴代最多七度の年間チャンピオンである現王者ルイス・ハミルトンを超えるという発言は、オリンピック同様に「F1は白人貴族のモノだ」という潜在意識が根底にあるので、角田選手は高い確率でバッシングにあう可能性が高い。

 

新人が活躍すればするほど、それに対する反動が大きいのもF1の常だからである。ましてや、黄色人種である。

 


しかし、王者ルイス・ハミルトンも黒人ながら、道を自ら切り拓いていった。

 

角田選手もホンダのバックアップがなくとも、自身で道を創っていくことだろう。

 

しかし、日本人ならここで角田選手を応援せずにいつするんだ?!ということで、改めて抜粋した「つのだ★ゆうき最速伝説打線」を紹介させて頂こう。
ガンダム例え同様、この手のフォーマットがよく分からず、コンパクトに書けなかったのはご容赦下さい。

 

「つのだ★ゆうき最速伝説打線」

 

一番ファースト
2016年全日本カート最終戦鈴鹿で、最下位から25台抜き(!)で優勝。リアル版デイズオブサンダー。ちなみに2位は朝日ターボ。ターボ?!
他にも同じように予選で失敗し、決勝二位が二回あり

 

二番セカンド
四輪デビュー戦となるスーパーFJでスポット参戦し、表裏二戦両方でブッチギリの勝利。しかも史上最年少の16歳。

 

三番サード
テストで乗ったヨーロッパF3で、歴戦のドライバーたちより速いタイムをマークし、最終的に一位にまで浮上。
しかもF3に乗ってまだ二度目ということでレッドブルのマルコ爺二度驚く

 

四番センター
F2初戦でいきなりファステストと、序盤から速さを見せるが、無線トラブルによる不運等あり、後半戦に入ってもスーパーライセンス獲得が難しい状況になる(本人にとっても挫折だった)。
しかしメンタルを鍛え、怒涛の追い上げで、最終戦で首位と15ポイント差の堂々三位でF1昇格を決める。ポールポジションは最多の四回。
しかもクラッシュや自分だけのミスでぶつかったこともなく、リバースグリッドがない予選と第一レースのポイント集計だと優勝していた

 

五番レフト
ホンダのスカラシップでは三位で落選ながら、中嶋悟の一声「あいつ何とかできないのか?クルマ余ってんだろ」でF4のシートを得る。この縁がなければ、キャリアはそこで文字通り終わっていた。
ちなみにF4時代の彼のヘルメットには、マセキ芸能社のスポンサーロゴがある

 

六番ショート
ヨーロッパF3では優勝経験のないほど弱い、ミドルクラスのチームに所属し一勝をもぎとる

 

七番ライト
イモラでのF1初テスト時、その後のF2で生かすべく、フロントタイヤの熱入れ方法をアルファタウリエンジニアに訊き、F2本戦で見事ポールポジションゲット。
テスト後、アルファタウリのトスト代表が話をするのを頬杖ついて聞いていた

 

八番キャッチャー
F3を使ったシーズン前トレーニングで、現役F1ドライバーのランド・ノリスやカルロス・サインツJr.と互角に戦い、タイムでは上回った

 

九番ピッチャー
2021年開幕寸前のプレシーズンテスト最終日に、ルーキーながらガチで現役最速フェルスタッペンとトップ争い。僅差の0.093秒差で圧巻の二位(ギャップは1m未満)。しかもセクター3つの内、2つは角田選手の方が速かった。
三位のサインツJr.を0.5秒以上離し、五位の王者ハミルトンともほぼ一秒の差。
日本ではロクに報道されないが、同時F1デビューにシューマッハ息子がいるにもかかわらず、世界中のモータースポーツニュースを席巻中。
マルコ爺「彼はまだこのマシンに一日半しか乗っていない。とてつもない…センセーショナルなこと」

 


本来なら追い越し時、空気抵抗を減らすためのDRS使用時間が多めだったとはいえ、0.2秒程度のアドバンテージでは言うほど大した違いではない。そもそも三位のサインツJr.とは0.5秒も差がある。

最終日は皆予選をシミュレートしてタイムを狙うので、すでに実力は証明されたとも言える。

 

目安となる同じマシンのガスリー(テストは一台を交互に乗る)は、コンディションが午前午後で違うとはいえ、同じC5タイヤで全体11位。角田選手とは1.4秒近く違う。


これは地味に大きな意味を持つのではないだろうか。比べられる基準になるのは、何よりもまずチームメイトだからである。

 

角田選手はガスリーから風を利用したドライビングや、縁石の使い方を学んだと素直にインタビューで答えていたが、きっとガスリーは誰よりも青ざめているに違いない(ここらへん漫画だと絵になるだろうなー)。
 

借りた車でオーナーより速いタイムを出すことを、サーキットでは「オーナー殺し」と俗に言われ、オーナーは時に立ち直れないほどの精神的ダメージを負うことも珍しくない。
 
ガスリーは、彼のためにセッティングされ、自分で乗りやすいように仕上げたマシンを、新人に自分より一秒以上速く走られたのだ。

テストとはいえ1.4秒差は大きい。単純計算で100m以上の差になる。

タイヤと燃料の重さで違いがあるとしても、ガスリーは平静を装っていても内心穏やかではないだろう。
 

また、DRS疑惑とまで一部では言われているが、本来DRSは自動で作動するらしいのだ。
つまり、逆に驚くべきは、あれだけ多くの操作ボタンやトリムのある、F1のステアリングを使ってタイムアタックしながら、さらにタイムを削るためにDRSを手動で開閉していた角田選手のすごさだろう。

f:id:cheeriohappa:20210322005420j:plain


しかも、2021年型マシンに乗ってたった一日半のルーキーなのだ。とんでもないハートの持ち主であると、ズルいとは違う文脈で語られるエピソードとなっていくのがふさわしい。

 

ちなみに、私はサーキット初走行時、気づかずにコーナー立ち上がりでウインカーつけっぱなしで走っていた。エッヘン(ФωФ)

 

最後にスタメンに入りきらなかったつのだ★ゆうきレジェンド逸話

 

○ホンダF1部門トップの山本雅史MDの「肉食うか?」の誘いに、日時指定で返す強心臓。通常ならドライバーにとっては雲の上の存在。
余談だが、F3のヨーロッパテスト参加を告げられた時はTシャツに短パン姿だった


○スポンサーへの対応が甘く、「あなたは嫌いだ」とまでスポンサーに言い切られるが、シーズン途中には熱心なファンになっていた


○F2時代の所属チームカーリンオーナー「彼は速いのにタイヤも温存できるんだ……驚異的だよ」「しかも彼は、マックス(フェルスタッペン/レッドブル)と同じようなモノを持っている可能性すらある」


○F1デビュー前最後のプレシーズンテストを終えたアルファタウリ代表フランツ・トスト
「トラックで彼を見て、彼が最初のコーナーでブレーキをかけたとき『ジーザス、彼はこれほど極端にマシンを減速させる力をどこから得ているのだろう』と思った。祐樹はタフだ。本物の怪物だ。良いことだ」

 

ベテラン名伯楽すら意味不明のブレーキング

 

つまり、長年モータースポーツに携わってラルフ・シューマッハらの名選手を育てたトストですら、解読不能の異次元ブレーキングなのだ。


タイムを縮めるのも、オーバーテイクするのにも、ブレーキングが肝となるのは言うまでもない。
そんなことを言われる日本人F1選手が出てきたことを誇りに思う。

 

願わくば、鈴鹿の後くらいかシーズンオフに、外苑のいちょう並木で角田選手のデモランが観れたらと思う。

2018年にフェルスタッペンとガスリーが走った時も、最後の自然吸気エンジンのクソ甲高い咆哮に、そりゃー興奮したもんである(ホンダのエンジンじゃなかったけど)。

 

ホンダと角田選手の凱旋があれば、またF1やモータースポーツが日本でも再興するに違いないと思う。
それもあわせて角田選手をこれからも応援していきたい。

 

頑張れ!つのだ★ゆうき!!

 


P.S.
今回大変参考にさせて頂いた「オートスポーツ」3/12最新刊は角田選手特集号で永久保存版なので買うべし買うべし。


カペタ作者の曽田先生と角田選手の対談も胸熱。
先生、お願いですんで、角田選手の漫画も描いて下さい!心よりお願いします。


2021/3/28追記
2021年開幕戦バーレーンGP予選Q1で、0.108秒差で角田選手フェルスタッペンに次ぐ二位で突破。三位王者ハミルトンとは0.01秒差。
その様子を見ていた元チャンピオン、デーモン・ヒル
「私が思うに、これはユウキの場所(セッション)だね。(この後は)どうなるかわからないけれど、もしこのまま行けば成層圏までブッ飛ぶところだよね」
しかし残念ながら、ミディアムタイヤのスイートスポットを外し、Q2で敗退。予選13番手。


2021/3/29
開幕戦バーレーンGP決勝
角田選手スタートから遅れるが、ペレスに次ぐオーバーテイクショーで魅せる。
角田選手歴代チャンピオンオーバーテイク回数。
ベッテル二回、アロンソ一回、ライコネン一回。
終わってみれば、メルセデスレッドブルフェラーリマクラーレンの今季四強合計八台に次ぐ、中団グループトップの九位入賞。日本人初デビュー戦ポイントゲット(順位としては中嶋悟中野信治選手の七位がある)。


#角田選手 #F1 #ホンダ

団塊ジュニアと74式戦車

 

ナナヨンには様々な思い入れがある。かつて駐屯地の基地祭で見れる戦車といえば74式だったので、一番身近な戦車といえばコレだった。

 

いうなれば、1974年正式採用の74式戦車は、同じ世代の団塊ジュニアの、一つの象徴でもあるのだ。

 

期待されたのに、配備された時には時代遅れ。数だけはあるが、見る人が見れば張り子の虎同然で、戦力としては期待されず。。

 

そんな哀しきナナヨンに、今も深い思い入れがある、私も哀しき団塊ジュニア世代である。

 

なんてラジカル!団塊ジュニア

 

誕生日だけは好きなものを買ってもらえたが、たしか小四か小五の頃に初めて買ってもらったラジコンが、74式戦車のラジコンだった。

 

今でこそ、小倉智昭さんといえば、朝の顔だが、八十年代半ば、ミニ四駆が流行る前に一大ラジコンブームがあった。

テレ東系列でしょっちゅう放送していた、タミヤRCカーグランプリでの小倉智昭氏の軽妙なナレーションが、団塊ジュニア世代には印象が強い。

「バイバイのバーイ!」という彼のお決まりのセリフにノスタルジーを感じる人も多いだろう。

 

何しろ、団塊ジュニアはギリギリ最後のスーパーカー世代でもあるので、ラジコンカーにはロマンを掻き立てられたものである。

より速いオフロードラジコンがもてはやられる中、砲塔もリモコンで旋回しない、鈍重な74式戦車は、誰からも羨ましがられなかったが、完全リモートで操縦できるだけで大興奮したものだった(コードのついたリモコン戦車はあった)

 

動かなくなっても、中学生の頃まで持っていたが、周囲で局所的に流行っていた花火戦争ごっこにより(今なら問題無用で駄目だが、クソ面白かった)、最終的にはジムキャノンのプラモと一緒に、手持ち連発打ち上げ花火の標的になり、最期は爆竹で木っ端微塵という、実際の兵器と似たような末路となった。南無。

 


f:id:cheeriohappa:20210307202321j:image 
f:id:cheeriohappa:20210307202358j:image

 

さて、どういう経緯で入手したかも分からないが、名著「ドイツ機甲軍団」「ドイツ艦隊」や、松本零士新谷かおるの戦場ロマンシリーズが、小学校低学年からの愛読書だった自分は、周囲のお兄ちゃんたちからの英才教育もあり、立派なミリタリーファン(注:ミリオタではなく!)としてすくすく育った。

なので今でもポケット戦艦大好き♪

通商破壊戦は大事派なので、桃鉄も戦略と戦術を駆使し、嫌がられる。。


f:id:cheeriohappa:20210307202451j:image 
f:id:cheeriohappa:20210307203736j:image

両さんのミリオタ分類では、ガノタ(ガンダムオタク)とミリオタは水と油と言われているが、それは自家中毒になりやすいからだろう。

突き詰めれば突き詰めるほど、知識による矛盾に耐えられなくなるのである。

 

 

その点、自分は陸海空も古今東西も関係なく、ガンダムもSFも楽しめる、ミリタリーファンレベルなのでお得である。

「自分が楽しめるかどうか」が基準であって、知識の絶対性とかにはあまり興味がないのだ。ロマンがあれば許せる。

 

 

さて、そんなミーハーなミリタリーファンが、74式戦車を解析したらどうだろう?

 

以下は、学術的な裏付けは一切ないと断った上での、ほとんど妄想の文章なので、違うと言われても「ハイそーですか」としか答えられない。

しかしそれでも、実戦処女、つまりコンバットプルーフのない74式戦車ちゃんの強さ弱さを、自分なりに分析したものになります。

 

105mm戦車砲の威力

うろ覚えの知識だが、105mm戦車砲の威力は、1トンの車が130km/hで壁に激突したエネルギーに匹敵すると聞いたことがある。

物理学で容易に検証できるので、やれる人は実際に計算して欲しいものだが、実感としてイメージできる威力も、大体そんなところだろう。

紛争地での戦車YouTube動画の、T72あたりの戦車砲も、あまり極端なまでの威力は感じられない。

建物自体を吹き飛ばすほどの威力ではないものの、まあ車が猛スピードで突っ込んだくらいの衝撃と噴煙は見てとれる。

 

それが徹甲弾によるものか、榴弾によるものかでもまたずいぶんと違うはずだが、ダンプとまではいかなくとも、乗用車が猛スピードで突っ込むエネルギーとなると、相当なものと言える。

さらに、榴弾の爆発はまた別にプラスされると考えられるが、現代の戦車の榴弾は、HEAT-MPという対戦車にも使える成形炸薬弾で、従来の榴弾とは原理からして違うのだが、それはおいておく。

 

この105ミリ砲が74式戦車のL7A1と呼ばれる、ラインメタル社製のものかは不明だが、74式戦車の攻撃力はざっとそんな感じだろう。

 

 

さらに対戦車徹甲弾となると、ダーツのような細長い矢を、サボット付きの砲弾で射出するAPFSDSとなり、エゲツない貫通力を発揮するようになる。

 

本来、ライフル砲である74式の主砲は、滑腔砲向けのAPFSDSを撃つのに適していないのだが、何らかの形でライフリングによる回転を抑える魔改造をして、APFSDSの発射を可能にしている。

 

かくして、従来の徹甲弾に比べて、ケタ違いの攻撃力を持つに至った74式戦車だったが、防御力はどうだろう?

 

 

74式戦車の防御力


74式戦車は美しい戦車である。バランスの取れたプロポーションといい、避弾経始に優れた砲塔や車体といい、なんとゆーか“美人”な戦車である。

別に、美人だからといって、74式戦車を見て(;´Д`)ハァハァするまではいかないが、きっと各国のメインバトルタンク(MBT)の間に並べられると、多少はか弱い印象になることだろう。

 

要するに、小さいのだ。特に車高を油圧で自由自在に変えられるナナヨンは、油圧ゼロだとシャコタン車並みにペッタペタになり、戦闘車両としては驚くほど低車高となる。

土浦の基地祭では一番驚かされた。

 

小さく低いのは、被弾の可能性が減る点で利にかなっている。

しかし、74式戦車は車重も軽すぎる。38トンという車重は、二次大戦時の戦車を引き合いに出すなら、アメリカ戦車だとM4シャーマンの30トン強からM46パットン44トンの間、ドイツ戦車ではⅣ号戦車G型で30トン弱、中戦車のパンターですら44トンにもなる。

 

現代の主力戦車(MBT)の装甲厚は軍事機密なので、当然74式戦車も公表されていない。

しかし複合装甲が装備されるまでの戦車は、「重さ=装甲の厚さ」の図式がほぼ成り立つので、複合装甲がまだ開発されていない世代の74式では、第二次大戦の重戦車にさえ装甲で劣ると言わざるを得ない。

 

斜めに傾けた装甲の避弾経始のよさが、防御力の向上に役立った時代もあった。

しかし、高初速によるユゴニオ弾性限界を利用し、金属を高圧力で流体のようにして貫くようになってからは、避弾経始では弾くこともできなくなり、鉄だけの装甲が紙同然になってしまった。

何しろAPFSDSは、均質圧延鋼装甲だと、なんと1000ミリにも及ぶ貫徹力を発揮するのだ(驚愕)

1メートルの装甲なんて、戦艦大和でも持っていない(主砲防盾で660ミリ)

 

なので残念ながら、優美な避弾経始を誇る74式戦車でも、良くて中空装甲なので、現代戦車はおろか、下手すると二次大戦時の重戦車にも、簡単に撃破されてしまう可能性がある。

 

まあもっとも、ほぼ同時代の戦後第二世代のレオパルド1なども、「当たらなければどうということもない」という設計思想のもと、防御力を犠牲にして、機動性に振っている。

 

なので下手すると、正面装甲すら簡単に貫通されてしまうのかもしれない。

 

つまりは残念ながら、74式戦車は戦車としてはかなり弱いと認めざるを得ないのだが、そもそも正面きっての戦車同士の殴り合いのための戦車ではないのである。

 

 

かつて、紙装甲でも活躍した戦闘車両があった


第二次大戦時、手持ちの戦車がほとんどソ連のT34に歯が立たないことを知った旧ドイツ軍は、旧式化した戦車の砲塔を外し、大量にろ獲していたソ連の野砲を載せて対戦車車輌とした。

装甲なんてないも同然だったが、ドイツ軍将兵の技量と敢闘精神により、三号突撃砲や88ミリ高射砲と並んで、かろうじてT34に対抗する戦力となり、戦線の崩壊を防いでいる。

主に防御戦で力を発揮した、それらマルダーⅡをはじめとする対戦車自走砲の運用思想が、現代の日本の戦車運用の思想と似ている部分が多い。

 

どちらにも共通するのが、まず「待ち伏せ」を基本としたヒット&アウェイ戦術だろう。

一発でももらったら終わりなので、とにかく被弾する可能性を減らす立ち回りをするのである。

 

旧ドイツ軍の対戦車自走砲は、正面投影面積の小ささを利用し、自衛隊の戦車は、カモフラージュの他、自慢の油圧サスペンションにより、傾斜地でも低く安定した射撃姿勢を活用した「待ち伏せ」攻撃を得意としている。

 

  

自衛隊アメリカ演習ドキュメンタリーの衝撃

 

と、ここまで書き連ねてきて、なんとか我らがナナヨンに花を持たせて終わりにしたかったのだが、あまりに残酷なテレビドキュメンタリーがあったのを思い出してしまった。

 

北海道のある師団が、演習のためはるばるアメリカまで遠征したドキュメンタリーだった。

中隊規模の90式戦車10両を中核戦力として、歩兵戦闘車やバイクを含む偵察部隊までの大所帯で、アメリカ軍との実戦的な合同演習をする内容だった。

 

遠征部隊隊長は、アメリカの士官学校で日本人として初めて教鞭をとったこともある、切れ者っぽい指揮官だった。

 

東京都が丸々収まるという、広大な砂漠の演習場にいくつも設けられた架空の街があり、エキストラの住民までが住む、きわめて実戦に近い環境で、アメリ海兵隊と連携しつつ米軍アグレッサー部隊に対抗する演習。

 

ここで、初めての実戦的な演習で戸惑うことも多かったのか、自衛隊は何度も全滅に近い損害を受けることになったのだ。

 

敵ヘリを見掛けたのに、漫然と進撃し、間接射撃の餌食になったのはまだ分かる。

 

しかし、最後のアグレッサー部隊の大攻勢相手に、稜線に位置取りした、得意の待ち伏せ戦術を駆使したにもかかわらず、キュウマルが半数以上被弾の大損害を受けているのである。

 

日本の演習でもよく使われるバトラーシステムのような、レーザーによる被弾判定だから、実際に貫徹されて撃破されたかまではよく分からないが、半数の損耗では全滅と言って差し支えない。

相手も大損害を受けているので、痛み分けとなっているが、なんか釈然としない。

 

道路上を曝露されて侵攻するアグレッサー部隊に対し、横合いから撃ち下ろしとなるはずの有利な状況だったのに、キュウマルがそんなに損害を受けたのも信じがたかった。

おそらく、自衛隊お得意の、車体制御も駆使してのハルダウン射撃(稜線から砲塔だけ出しての射撃)もやったはずなのに。

 

しかし、敵の弾が当たったことは間違いないのだ。

 

となると、冷静になって考えてみて、実戦では正面装甲は厚いキュウマルなら何とかなるかもしれないが、正面装甲も現代基準では紙のナナヨンは、実戦では怖くて使えないということになってしまう。ナンテコッタイ(ヽ´ω`)

 

 

う~ん。どうやら、これは知識の沼にはまりこんでしまったらしい。軽い知的お遊びと考えて考証をすすめてきたが、考えれば考えるほど、74式戦車の早期退役しか道がない気がしてきた。まだまだ戦えることを証明したかったのに。

 

まあでも、戦車は現代の非対称戦でも、戦力の要になることが証明されているし、保有しているだけで、相手に陸戦を躊躇させる抑止力となるので、やはり一定数は確保しないとなー、という一般論で締めくくりたいと思います。

 

いや、ナナヨンは良い戦車だよ。ワールドオブタンクとかのゲームでの評価は、やらないから知らないけど(そもそも出てるのかな?)、自衛隊の技量の高さによる、数字に現れない“強さ”もきっとあると思う。

 

つまるところ、こんなグダグダと結論の出ない議論で終わって、実戦を経験しないのが、やっぱり一番なんだろうな~と思いますです。ハイ。

ボトムズ野郎の叫び


https://youtu.be/c21XcSDXanM

 

ボトムズ野郎万歳。そして柳ジョージさんに一献

 

「炎のさだめ」は名曲中の名曲。しかし、ボトムズの男臭い世界観にはこちらも捨てがたい。亡くなった柳ジョージさんの魂のこもった名曲である。


f:id:cheeriohappa:20210226225343j:image

そういえば、去年2020年5月28日に実物大スコープドッグを見に行っていた。


デザインしたレジェンド大河原氏が稲城市出身ということで稲城長沼駅前が、ちょっとした聖地となっているのだ。
後で知ったので行けるはずもないが、3/15に除幕式が開かれたとのこと。

 

何でニュースっちゅーんは、いつも終わってから報道するんじゃ(血涙)



f:id:cheeriohappa:20210226230150j:image


根っからのミリタリーファンとしてみれば、ややもすれば“ロマン”に頼らざるを得ないガンダムより、はるかに実現性が高く、兵器としてのリアリティーもあるボトムズの方に昔からより惹かれていた。

 

実際にローラーダッシュ出来るかどうかはともかくとして、マッスルシリンダーか、それに類するものが開発されれば、実現化は一気に加速するかもしれないからだ。


スコープドッグは、ボトムズに出てくるロボット(アーマードトルーパー、略してAT)の一種で、主人公キリコ・キュービィが主に搭乗するが、あくまで量産機の一機としてであり、馬車馬のように使われ、また打ち捨てられる、哀しき一兵器である。

 

リアルサイズのATが、神クラスのファンである鉄工職人によって作られていたのは知っていたが、このたび公式でも作られたという。

大河原氏や高橋監督も参加した除幕式には行けなかったが、ある雨上がりの夕暮れについに訪れた。


f:id:cheeriohappa:20210226225432j:image

人気のあまりない稲城長沼駅前広場に、ひっそりとスコープドッグが佇み、控えめにライトアップされている。

時々通る人はいるが、立ち止まって見る人や、ましてや写真を撮る人も自分の他になく、歴代実物大ガンダムの大盛況ぶりとはずいぶん異なる。

 

が、この寂寥感がまたボトムズの世界観に通じているようで、一人でその世界にひたるのも良い。苦いコーヒーが合うことだろう。


f:id:cheeriohappa:20210226225511j:image

近づいてみると、3.8mとはいえ、やはり大きさに圧倒されるものがある。

コンクリートの土台で、数十センチ高くなってはいるものの、リアルなサイズ感は目の当たりにすると、より実感がわいてくる。


f:id:cheeriohappa:20210226225552j:image

第一印象で抱いたイメージは、“リアルサイズ鬼”である。赤鬼や青鬼がいたら、このくらいの巨大感と威圧感を持っていることだろう。スコープドッグは緑鬼か。


f:id:cheeriohappa:20210226225642j:image

巨大なスイカサイズと、思っていたよりはるかに大きなこぶしで、こんなもん振り回して暴れられたら、恐怖でしかない。
人なんか、かすっただけでひとたまりもない。


f:id:cheeriohappa:20210226225717j:image

そして当然、スコープドッグ自体の、武骨な鉄のカタマリ感が半端ない。


ずんぐりむっくりなデザインなのに、この上なくカッコよく、まんま鬼の迫力がある。

こんなバケモノに生身で立ち向かうとは、メロウリンク、ホントに勇気あるな~。


f:id:cheeriohappa:20210226225759j:image
f:id:cheeriohappa:20210226225834j:image


そして、絶妙に施されたウェザリング(汚し塗装)が、ボトムズの世界観になじんでいて、思わず炎のにおいにむせてしまうところだ。

さりげなく入れられたアストラギウス文字も、実物大ならではのリアル感を醸し出している。

降着姿勢じゃなくとも、ステップを使えばコクピットまでよじ登れそうで、やはり良くできたデザイン。


f:id:cheeriohappa:20210226225911j:image

 

そして、1/1ヘヴィマシンガンの巨大さがまたイイ!口径30mmだが、40mmボフォース機関砲ほどのボリューム感がある。

重さのせいか、銃身が気持ちやや上向きに曲がっているが、気のせい気のせい。


f:id:cheeriohappa:20210226225939j:image

個人的な好みでは、ショートバレルのヘビィマシンガンを両手で腰だめに構えて、銃口のライフリングが見えてたらもっと良かったのにな~と思う。


f:id:cheeriohappa:20210226230035j:image

あと、見てみて実感したが、30ミリではオーバーキルも甚だしいと思う。

装甲の薄さによる死傷率の高さからボトムズ(最低)の俗称が生まれているので、おそらく口径20mm、もしかしたら12.7mmクラスでも、薄い箇所ならスポスポ装甲を抜いていたことだろう。

 

それと、もっとリアリティーを追求するなら、口径7.62mmくらいの小火器が副兵装で付いていたり、戦車へのトップアタック用のミサイルや、多段弾頭のRPGを装備したりだろうか。

それか、スモークディスチャージャーの一つに装填された、対人地雷のシュツルムマインもいいかも。


と書いてきて、最近YouTubeで話題の「オブソリート」が、まんまそういったボトムズのリアル路線でやっているのを思い出した。

 

https://youtu.be/LzqPSoMXAig

 

しかし、虚渕氏のエグゾフレームのアイデアも大変良いのだが、まだまだ“本家”ボトムズの魅力も、引き出され尽くしてはいないと思う。

 

たとえば、ロボット対ロボットの“歩兵”としてではなく、“騎兵”としてのボトムズが、そのまま現代戦で現れたらどうだろうか。
つまり、アーマードトルーパーvs他兵科の非対称戦を描くのだ。

 

全高4m内外の、むしろパワードスーツに近い、ロボットとしては最小クラスのアーマードトルーパーは、全高18mのガンダムと比べると、格段に小さい。

視線が通れば、数キロ先からでも容易に視認できるモビルスーツと違い、高架もくぐれてしまうアーマードトルーパーは、現代兵器の体系に組み入れられても、そのままでかなり活躍するに違いない。

 

言ってみれば、紛争地でよく見られる、テクニカル(重機関銃を載せた、トヨタランクルなんかのピックアップトラック)に、装甲が施され、もっと小回りがきいて、格闘戦もこなすのである。


アニメでは、数が頼みの歩兵的な運用をされているが、“装甲騎兵”とあるように、本来は騎兵的な運用が望ましいはず。


騎兵は脆弱性もあるものの、戦線両脇に配置されたり、予備戦力や遊軍として、戦果拡大時に絶大な打撃力を発揮する。

現代では、騎兵的役割は、戦車や歩兵戦闘車の装甲車輌、もしくは攻撃ヘリが担っているが、ここをATが受け持つことで描ける戦場も面白いだろう。

 

もしくは、A-10による近接航空支援の火力支援を、少数のアーマードトルーパーが受け持つのはどうだろう?

A-10同様、歩兵の守り神となるATなんて胸熱ではないだろうか。どちらも、屈指の“漢の兵器”である。

 

それも、ATは戦車より優れている兵科というのではなく、戦い方や状況でコロコロ戦況が変わるくらいがちょうど良い。

火力では戦車にかなわず、隠密性では歩兵がまさる。じゃんけんみたいな力関係があると、ストーリーも生まれやすい。

 

ボトムズは、なかなか主人公キリコから離れて魅力的な作品を作るに至っておらず(メロウリンクくらいかな)、ガンダムのようにアナザーストーリーが生まれていないが、リアルなミリタリーの切り口からもっと魅力を引き出してもらいたいものである。

あるいは、同じ高橋監督による「太陽の牙 ダグラム」の要素も、隠し味として良いだろう。


ファンが求めているのは、「ボトムズファインダー」のような、ボトムズっぽい軽い作品ではなく、冒頭の柳ジョージの曲のような、泥臭いボトムズ乗りの世界そのものであり、それは“戦場”に他ならないのだ。


ライトユーザーを取り込もうという、浅はかな目論見は二兎を追う者一兎も得ずであり、むしろ突き抜けてこそ、海外のミリタリーSFファンも興味を持ってくれるだろう。

 

実際、ニュージーランドサバゲー仲間の間では、「ガンダム」より「ロボテック」の方が圧倒的に認知度が高い。


「ロボテック」は、マクロスモスピーダとサザンクロス?の三作品が繋ぎ合わされた、海外向けのロボットアニメだが、世界中にファンが今でも多い。

彼らにとっては、現代兵器の延長線上にあると感じれる「ロボテック」のバルキリーやデストロイドの方が、ガンダムよりもリアルなのだ。


惜しむらくは、「ボトムズ」が当時、海外のそうしたアニメファンの目に触れる機会がなかったことである。

が、近年になって、ガンダムが海外でも見直される流れになってきているので、ボトムズも改めて海外に売り出すのもアリだと思う。

ハードSFを好む層は一定数いるし、ミリタリーSFのファンにも「ボトムズ」の訴求性は高いはず。


その試金石ともなったのが、図らずも「オブソリート」の、世界中で再生回数2000万回超えの評判なのではないだろうか。

コンテンツ力のあるものは、臆さずに海外での商売へと繋げていくべきなのだ。

 

だが、商機を逃しがちなのも日本らしいところで、「キャットシットワン」も短編CGアニメが2010年に海外でも大評判になったのに(NZのサバゲー仲間にもファンが多かった)、コンテンツ化するのに失敗している。

理由として、“熱い”期間での商品投入ができていないのが大きな原因の一つ。

 

https://youtu.be/9wncS6tO59M

 

 

他に思いつくものとしては、ATが乗り物としては、より不安定というのはどうだろうか?

まともにホイールダッシュしてターンするだけでも、車やバイクのレーサーのような、高度な技能を必要とされるといった描き方があっても良いのでは。

 

昔読んだボトムズの原作本に、キリコが転倒しそうなスコープドッグを、とっさに射撃の反動で立て直す描写があったが、とても痺れたことを覚えている。

映像作品では、転倒する描写は出てこないが、下手なコーナリングをするとブッこけるくらいが、映像としても面白いのではないだろうか。

 

自分でデッキを組んでパワーアップを図るミッションディスクも、組み合わせ次第で新たな可能性が生まれるという描き方だってあるだろう。

 

あと、これは「オブソリート」もそうなのだが、映像での手持ち火器の発射レートが高すぎる。

あれではすぐ弾切れになってしまわないか、観ていていつも不安になってしまうし、砲弾レベルの弾を撃っているのだから、もっと重々しさが欲しい。


MG42みたいに超高発射レートじゃないと、中途半端に高い連射速度では、どうしても豆鉄砲感が出てしまうのだ。


オブソリートでは、海兵隊のエグゾフレームの20ミリクラスでも、5.56mmの発射音にしか聞こえない。

ここは「プライベートライアン」で猛威をふるった、あの20ミリ機関砲くらいの迫力が欲しいところである。


あえて「ボトムズ」にも苦言を呈すと、被弾=蜂の巣になりがち。

一発の重さがもっと大事にされれば、貫徹されたかどうかや、内張りのライナーで止まったとか、チップの跳弾なんかでも、ドラマがもっと生まれる余地があるのでは。

 


と、思いつくままに述べてきましたが、要するに「サンライズさん、ガンダムだけじゃなくて、ボトムズも新作出してくれ!!!」というボトムズ野郎の心の叫びでした。

ボトムズも、あと二年の2023年で四十周年ですよ!新作作るなら今しかないでしょ?!

「第9地区」の凄さを「Halo」と絡めての感想


https://youtu.be/9gWV3IrZqjw

 

今ごろ初見で、「第9地区」の凄さをゲーム「ヘイロー Halo」と絡めての感想

 

第9地区 District 9」

ニール・ブロムカンプ監督2010年日本公開

 

恥ずかしながら、ドキュメンタリータッチの映画自体、今ごろ初めて観たのだが、これはもう途轍もなく面白かった。Mさんに何度もすすめられていたのに、早く観とけば良かったと後悔した。

 

あと、ニュージーランドに住んでいた時に、キウイのサバゲー仲間の何人かが、銃を白塗りしてMNUのロゴまでアーマープレートに付けていた意味がやっと分かった。

 


この映画で最も気に入ったところは、とにかくハリウッド大作的なお約束がほとんど無かったことである。


監督も、付録のオーディオコメンタリーで、「ハリウッドポップコーンフィルム的にならないよう気をつけた」とか、「非ハリウッド的な撮り方にこだわった」と何度も語っていて、その甲斐あり、とてもリアルで新鮮な映画となっている。

 

まず第一に、完璧なお役人タイプで、見た目もパッとせず、オーラも一切ない、等身大のモブキャラが主人公ヴィカスというのが良い。

 

南アフリカ出身ニール・ブロムカンプ監督の、地元の昔からの映像関係のSharlt Coply先輩だそう。プロ俳優でなかったのも良かったし、数々のアドリブの演技がリアリティーを増幅させている。


庸平さんなら同意してくれるだろうが、共通のキウイの友人、タキワによく似ている。

 

 

なんだかんだ、人間が一番怖い

そんな仕事熱心で家族思いの小市民で、お茶目で憎めない主人公ヴィカスだったのだが、ちょいちょいエグい言動や行動もし、極限状態での人間の残酷さも見せつけてくる。

 

これがハリウッドなら、無実の良い人キャラ推しで、涙の一つも押し売りされていたことだったろう。

 

 

第9地区」ではそういう風に、一番残酷で醜いのは、他ならぬ人間であることが、さまざまな角度から繰り返し繰り返し描写される。


この、現実社会でもいくらでも見られることの根本に何があるのか考えてみたが、それはやはり、相手に対する圧倒的な“無関心”ではないだろうか。


「自分より下の存在」とナチュラルに思えるから、相手の痛みにも無関心でいられるのだ。肉体的な痛みにも、心理的な痛みにも両方。

 

そんなごくありふれた人間ヴィカスだったのだが、相手を下に見ることで“安心”し、否定もできていたのが、深刻な自己矛盾にさいなまれることとなる。


自分がエイリアンになってしまっては、生きる限り、もはやどこにも安心などないのだ。


自己嫌悪はできても、自己否定、つまり究極的には自殺、すらできないのである。 

 

ヴィカスがこの葛藤をどう乗り越えられたのか、は観客の想像に委ねられている。そこがまた良かった。

 

妻にも裏切られていたら、どうなったか分からなかったけど。

 


監督も言っていたが、「エイリアン化して、人間らしくなる」というパラドックスと、主人公の成長が感じれて、秀逸なシナリオだった。

 

 

ハリウッド的演出は、もはや古い

また、ハリウッド映画にしろ、日本のドラマにしろ、いかにもなガジェットやCGを、これ見よがしに操作したりする演出だと、個人的に臭くて臭くて、見続けるのがもう恥ずかしくなってくる。

 

昔の映画の、すべて音楽とシンクロさせていた演出が、いつしか古びてなくなってしまったように、今主流の演出方法も廃れるに違いないと思っていた。

 

ブロムカンプ監督は、「見せかけだけのハリウッド的演出は出てこない」と言うだけあって、そういう演出に否定的である。

いや~監督さん、分かっていらっしゃる。

 

そこにもってきての、「ドキュメンタリータッチ」の演出である。実に良い。


すべてのハリウッド的映画テクニックを過去のものにしたと歴史に残る。と言ったら大げさか。


「カメラを止めるな」があれだけスマッシュヒットしたのも、ライブ感のあるドキュメンタリー演出によるのも大きいだろう。

 

古いが「ブレアウィッチプロジェクト」もかな。
って観たことないのだが。ホラー苦手なので。

 

 

パワードスーツが0G下での使用を想起させるものだったら尚ベター

特に感心したのが、装着したエビパワードスーツの能力を主人公が100%発揮できず、最終的にはボコられた点である。


ハリウッド映画なら、何のためらいもなく、最後は無双をさせていただろう。

 

エビパワードスーツといえば、終わりの方でミサイル斉射をするのだが、納豆ミサイルだー!と思ってたら、コメンタリーで監督が、「ロボテック(マクロスの海外編は)」について語っていた。

 

曰く、「リアルとは違うが、エイリアンの武器だから何でもできる」とのこと。


彼も板野サーカスに魂を引かれた者らしい。ハリウッド演出とは違うのでセーフ。

 


結論として、少しの疑問も残るものの、ここ十年で最高のエンタメ作品

それに何より、ミツバチ的な行動原理のエイリアンが、どういう訳か女王バチ的存在をなくし、地球で全員難民になるというアイデアの奇抜さである。迷子の宇宙人なんて聞いたことない。


個々人では考えるのが苦手、且つお人好しな宇宙人、という設定も斬新で面白みがある。

 


でもそういえば、何でエイリアンに人間の名前がついていたんだろう?何か考えがあってのことだろうけど。


あと、知能低い設定なのに、人類語を話してくれているのも不思議な話。

 


まあ、まったく話の通じないエイリアンだと、不気味なエイリアン感が強すぎるからだろう。

 

エビ星人側は侵略の意図もなく、言ってみれば平和な種族なのだ。偏見を持ち、虐げる側はあくまで立場の強い人類側なのである。

 

 

エイリアンの人権問題も、エイリアンをエビと蔑称し、卵もためらいなく焼却処理していることから、少なくともMNUではあってないようなものだ。

 

確かにエビ星人は知能の低い、粗雑な存在として描写されているが、死んだ仲間を悼む心情もちゃんと描かれている。


始まってすぐの描写や評判から、エイリアンが、現実世界の難民そのものの暗喩であるのは伝わってくるが、それが説教くさい見せ方だったらつまらなかっただろう。

 

よくぞバランスの取れた、一流のエンタメ作品に仕上げれたものだと素直に感心する。
しかも、大作映画に一切見劣りしないのに、おそろしく低予算なのではないだろうか。

 

さらにブロムカンプ監督は、あくまでエンタメ作品であって、政治的な主張はないと述べているが、いやいや、よく出来た社会風刺そのものであるとも言えよう。

 

 

エビ星人の瞳には知性の光があるが、ラストで主人公ヴィカスの片眼がエイリアンのものになった外見は、人として受け入れがたい異質感があるのも、問いとして突きつけられているようで、後になってゾクッとした。

 

 

監督は、ヨハネスブルグ自体が、地球の未来を写しているとも言っていた

戦争か何かが起これば、日本も押し寄せる難民でいっぱいになるかもしれない。


この映画がそのディストピアの未来にならないことを願わずにはいられない。


しかし、ここ十年で最高のエンタメ作品だと思ったのだが、完全に十年遅れて追いつくのも情けない話である。

 

 

なんと監督は「HALO」を撮るはずだった

ニール・ブロムカンプ監督は南アフリカ出身で、作中のナイジェリア人ギャング団は、南アフリカで実際に“エイリアン”として嫌われているナイジェリア人がモデルだと語っている。

 

それをテーマにショートフィルムを作り、それが「ロードオブザリング」のピーター・ジャクソン監督の目に留まり、いきなりの大作デビューとなった。

 

とはいっても、ゲーム「HALO」の映画化で監督をするはずがポシャって、すぐピーター・ジャクソン監督がオファーしたということなので、名前は通っていたに違いない。

 


それにしても、ブロムカンプ監督の「HALO」観てみたかったな~。ヘイローは神クラスのFPSゲームで、途中で第三勢力が乱入してくるストーリーやSF設定の緻密さ、音楽の荘重さまでも映画並みだったもんなー。

 

中でも好きだったのが、一服の清涼剤のようだった、最弱の雑魚敵グラントのかわいらしさだった。


子ども並みの知性で、居眠りもして、指揮官を倒されると泣き叫んで逃げ惑う様は、ゾンビホラー要素も絡んでくる後半の緊張感を適度にほぐしてくれた。

 

この販促用に作られただろうグラントのインタビューも、海外ファンの間でのグラント人気がうかがい知れる。

https://youtu.be/nozRqpwzli8

 


今からでも全然遅くないんで、なんなら「第9地区」とヘイローをリンクさせて、続編を撮ってほしいと思った。

 

唯一齟齬があるとしたら、地球の時代が違うことだが、現代で地球外生命と接触があったことでいくつかのオーバーテクノロジーが導入され、ヘイローの時代につながっていくとしたら面白いと思う。


それならヘイロー世界の数百年先の未来で、人類が重力制御技術すら手にいれている一方で、カートリッジ式の実弾がメイン武器というアンバランスさも説明がつきやすいだろう。

 

 

人類の未来について、ちょっと脱線

ヘイローの説明書のオマケでちょっと触れられていただけの、宇宙の歴史設定だったが、笑われるかもしれないが、自分の中では“リアル”なものとなっている。

 

20年近く前に読んだうろ覚えだが、要約すると、宇宙の文明にはいくつも段階というものがあって、母星にとどまっている地球は、まだ低い文明水準の星で、やがて外宇宙に出ていき、最終的には思念生命体になっていく、というもの。


そして最もシビレたのが、その途中の段階で滅びてしまった星や種族が、数多く存在するということ。


そりゃ、宇宙が生まれて135億年という時間軸を、一日24時間にしたら、人類が生まれたのは、日付が変わるギリギリ前のことなのだから、その途中でいくつも知的生命体が生まれて消えていっていたとしても不思議ではない。

 

宇宙自体、泡のようにいくつも平行世界で存在しているという説もあるくらいだし、ビッグバン前なんて、それこそ誰も分からない。


そして、少なくともこの先、何十億何百億年、いやもっと続くであろう宇宙の歴史で、人類という知的生命体がずっと存続すると考える方が難がある。

 

このままだと人類はおそらく、「大きな宇宙船」と呼ばれる太陽系から、外宇宙に出る前に滅びてしまうだろう。

 

よく言われるように、人類は地球にとって“がん細胞”と変わりはなく、人類がいないのが一番丸くおさまるのだ。


それを危惧して人類の目を外宇宙に向けさせるため、女性を立てて、まず人類を支配しようとしたのがパプテマス・シロッコだと勝手に思っているが、ここまでくると完全に妄想なのでこれくらいにしておこう。

 

 


ミリタリーファンとしての感想

 

第9地区」では、装甲車先進国である南アフリカのキャスパー装甲車等が登場し、監督の好みなのか多種多様な銃器も無秩序なほど使われている。


イスラエルがAKをコピーし独自の改良を加えたガリルを、さらにコピーした南アフリカベクターR5が、傭兵のボスが使っている銃だそう。ヤヤコシイ。 


ギャングも傭兵もMNUの兵士もたくさん出てくるが、MNU正式小銃の白いステアーそっくりのブルパップライフル、ベクターCR21以外はほとんどかぶっていない。

驚くほど多くの種類の武器を、ギャングも傭兵もそれぞれ使っている。


数えてはいないが、ギャングと傭兵とで、10種類かもっとありそうな、バラエティあふれる武器を使用している。


ギャングはともかく、傭兵にしたら非効率この上ないが、この多様性が映画として記録されることは、後々に現代小火器としての資料的価値でも出てくるのではないだろうかとふと思った。

 

「Halo」で出てくるスナイパーライフルそっくりのアンチマテリアルライフルも、エビパワードスーツに最初にダメージを与えたりと存在感があって良かった。

 


最後に「おそロシア」並みの、南アフリカリアルワイルド物語

 

○火炎瓶が出てくる暴動シーンは、実際のヨハネスブルグでの暴動を撮ったもの。

 

○ロバの荷車と最新型のBMWやベンツが同じ道を走っているのは、ヨハネスブルグでは普通の光景。

 

○撮影で使われたスラム街は、立ち退きをしてもらった実物で、塀を作らないとまた住民が帰ってきた。

 

○ロケハンでジャッカルを飼い犬にしているスラム民がいて、そのまま登場させた。

 

○羊や豚、牛の頭蓋骨が解体される風景も南ヨハネスブルグではよくある。丸ごとローストされ、「スマイリー(笑)」という名で2ドルほどで売られている。脳ミソを食べる。

 

○食べられたスマイリーの骨は川沿いに捨てられ、その数は数百にも及び、腐臭も酷い。夜になると猫サイズのネズミが集まってくる。

 

○「Muty(ムッティ)」は呪術を信じる人がある程度いるアフリカではよく見られるもので、例えば切り落とした(人間の)腕を玄関に埋めれば、「商売繁盛」のおまじないになる。
対象を食べてその力を取り入れようとするのもよくあることで、多くのアルビノが誘拐され、殺害されている。

 

○スラム街は人間や動物の排泄物だらけなので、ヘリの着陸シーンではそれらが巻き散らかされて地獄だった。

 

○ラストシーンでのエイリアン母船退去デモの群衆も、八万人規模のヨハネスブルグ労働組合の抗議集会を、“勝手に”撮影したもの。頻繁に行われているとのこと。

 

○撮影で使った軍施設は、実際に80年代に使われていた核兵器格納庫で、監督も知らない爆弾状の物体が映像にも残されている。

 


いや~、ホントによく出来たSF作品でした。ニュージーランドのWETAスタジオもいい仕事してた。

 

ブロムカンプ監督が以降どんな作品を撮っているか調べたら、「エリジウム」と「チャッピー」だった。

 

「チャッピー」未見だが、「エリジウム」は観た。あんまり印象に残ってない。


というか、ありきたりのハリウッド的演出バリバリで、好きにはなれなかった。マット・デーモンの無駄遣い。

あれならトム・クルーズの「オブリビオン」の方が意外性もあり面白かったかな。

 

才能はある監督なので、これからも注目してみようと思う。

○0080がガンダム入門編に最適な理由


https://youtu.be/4ShHntNzRgI

 

ガンダム0080

0080ガンダム入門編に最適な理由

名曲ぞろいのガンダムソングの中でも、このエンディング曲ほど泣かせるガンダムソングも他にないだろう。

 

子どもを主人公として、その視線から戦争というものを描いてゆく「ガンダム0800(ダブルオーエイティ)」は、ご都合主義では済まされない戦争の有り様そのものを描き切り、主人公アルを大人にしてもゆく。

 

知ってしまった以上、もうそこには戻れない。

 

そういった切なさや、後悔といった激情の果ての、諦観に似た無常感が、漂白されたようなフラットな歌声なのに、逆に痛いほど伝わってくる名曲。

 

アルは実際、どんな思いを抱いて、この写真に写っているんだろうか。彼はおそらく、誰にも何も語っていない。

 

オープニング曲の、夏休みに入ったばかりのようなキラキラ感との対比が、さらに泣ける。

 

 

あえて言おう カスであると!!

さて、映画やドラマにとって、一も二もなく最重要なのは、“シナリオの出来”そのものだと考える。

 

ご都合主義は、無理なく伏線を回収したりといった、観客を納得させるに足る理由がなければ、シナリオの完成度をスポイルするだけである。

 

その点、取って付けたようなご都合主義が目につくのが、多くのハリウッド映画であり、日本のドラマ、特に最近のNHK大河ドラマだろう。

 

2020年NHK大河ドラマ麒麟がくる」は、最終回の良さでみんな手の平返しをしたが、ご都合主義でツッコミどころ満載の大活躍をした駒や東庵が、シナリオ、引いては作品そのものを破壊したのまでチャラにはできない。

 

 

同じく、ガンダム鉄血のオルフェンズ」も「ガンダム00(ダブルオー)」も、視聴者の反応に色目をつかいながらシナリオを変えていったがため、最後にはシッチャカメッチャカで酷い出来になり果てた。

 

どちらも素材は一級品であっただけに、小手先のテクニックを弄して素材を台無しにした責任は、監督と脚本家にある。

 

子どもですら、本能的にウソを見抜くのだ。

 

だからこそ、富野由悠季監督は、たとえ子ども向けであっても、全身全霊を傾けて作品を作らなくてはならないと言った。

 

観客におもねったり、逆に観客の意表を突きたいがために、目先のアイデアにその度に飛びつくようでは、一貫性のある、本当によく練られたシナリオにはなりようがない。

 

 

ガンダム原理主義」と「ゼータガンダム至高主義」

2019年に四十周年を迎えたガンダム作品で、トータルで一番好きなのは「Zガンダム」だが、その味わい深さを感じれるまでは、スルメをかじるような、かなりの忍耐ある咀嚼が必要だと思う。

 

恥ずかしながら、小学校高学年だった1985年のオンエア当時、真っ黒い画面に見えにくい黒いモビルスーツ、というだけで挫折してしまっている。初代ガンダムはあれだけ好きだったにもかかわらず。

 

それに冒頭は、主人公カミーユのエキセントリックな言動に拒否反応を感じる人も多いし、全50話はかなり長い。

特に序盤は、一話見逃すだけでも、ちんぷんかんぷんになりやすく、実際それで初見時は観なくなった。

 

その点、「ガンダム0080」は、全6話とちょっと長い映画といった感じで一気に観れる。

そして、ガンダム初見の一般人向けとしては、おそらく唯一の大人の観賞に耐え得る作品だと思う。

 

要するに、予備知識なしで楽しめる点で、普通の映画と同じ、「間口の広さ」を持っていると言えるのだ。

 

ガンダム作品の持つ、複雑なSF設定やニュータイプといった概念は、とても魅力的なものの、一般人にとって一つでも腑に落ちない要素があれば、それだけで楽しみを阻害してしまうことにもなりかねない。

 

ガンダム0080」ではロボットであるモビルスーツを、あくまで脇役である兵器としてしか描かなかったのがまず良かった。

 

それも、兵器そのものの残酷性や恐怖をただ描写するのではなく、車等に対してもあるような、子ども特有の憧れからの自然なアプローは新鮮であり、自然でもあった。

 

シナリオの成功は、アルの目線から物語を描くことにした時点で、9割がた決まっていたと言っても過言ではない。

 

そういった敷居の低さとシナリオの完成度が、「ガンダム0080」を不朽の名作に押し上げたと言え、だからこそガンダム入門編として最もふさわしい作品なのだ。

 

 

余談だが、脇役でしかないロボットといえ「装甲騎兵ボトムズ」も浮かんでくる。

個人的にはガンダムより、むしろ若干好きなほどであるが、観る人みんなが楽しめる作品ではないし、ボトムズはそれでいい。

比べて優劣を競うのとは違う。ボトムズボトムズで、違う普遍性にまで到達しているからだ。

 

 

作画監督カウボーイビバップ川元利浩氏が参加していた

そして、他にもいくつか0080の見どころはあるが、やはりモビルスーツの動きの重厚感は、数あるガンダム作品中でもピカイチである。

動きの独特のタメが慣性重量を表現していて、それがモビルスーツの重さを感じさせている。

 

逆に、「逆襲のシャア」「ガンダムF91」は、動きが軽すぎてモビルスーツの重さを感じにくいのが残念。

まあ、宇宙空間や空中戦が主だったのも影響しているか。

 

 

また、ガンダムアレックスの動きで特に顕著だが、装甲板一枚一枚を意識して動かしているのがイイ!鎧武者感がある。

今ではCGモデルで描くので、装甲パネルを個々に動かすのも容易だろうが、セル画でやるのは大変だったろうし、相当センスが要るに違いない。

 

0083もメカメカしい作画が良いが、自分は0080の、モビルスーツの描線がシャープでクリーン、且つより重みを感じさせる作画が好みだ。

 

 

他にも「ガンダム0080」といえば、声優さんである。

もう一人の主人公バーニー役の辻谷耕史さんが、若くして鬼籍に入っているのにまず涙を誘われる。

シーブック役といい、人柄が出ているような、優しい声だった。ラストのバーニーのビデオメッセージとエンディング曲のコンボで、毎回涙腺が崩壊してしまう。

 

これも全くもって余談だが、Wikipediaで調べていて、辻谷耕史さんの奥さんは、Vガンダムのあの皆殺しのカテジナさんと、ケロロ軍曹を演じた渡辺久美子さんと知って驚いた。

 

いかん、カテジナさんにもケロロ軍曹にも、両側からイジられまくっているバーニーしか目に浮かんでこない。でもまんざらでもなさそう??

 

 

今ではベテラン大御所声優になった浪川大輔さんは、まだ子どもだった時演じたアルも、ビックリするほど超絶演技がうまい。見事な嘘つき小僧&オオカミ少年ぶりである。

 

あと、林原めぐみさんをはじめ、実力派声優が脇を固め、特におっさん役声優全員がいぶし銀の魅力を放っているのが、ガンダムらしいところでもある。

ただの荒くれ者部隊ではないサイクロプス隊もだし、戸谷公次さん(カクリコン役もした戸谷さんも若くして亡くなられていた)みたいな、ちょっと嫌味っ気のある渋いおっさん声は、富野監督作品には必ずいて、作品に重厚さを与えている。

 

さらに、ハマーンさま役の榊原良子さんがいくつかの脇役を演じ、なかでも宇宙港でのフランチェスカ便待ちで飲んだくれる女性は、彼女の演技力の高さの語り草ともなっている。

これも電話口の相手がシャアだったらと、何度も観ていると、違う楽しみ方もできてくる。

 

ということで、「閃光のハサウェイ」公開前盛り上げ企画で、「ガンダム0080」がバンダイチャンネルで無料公開してくれた感想になります。

 

やっぱり0080はサクッと観れて重すぎず、毎年観たくなりますね。クリスマスあたりだともっと感慨深いですが。

毎年バーニー追悼で無料公開やってくれませんかね。ご新規さん向けにも最適ですし。

 

 

さてさて、最後にご存知、同じ脚本家つながりで、「オネアミスの翼」を改めてゴリ押。。じゃなくてオススメしたいと思います。

脚本を書いた山賀監督をはじめ、スタッフ平均年齢24歳(!)の生まれたてのガイナックスがイロイロ度外視で作った名作です。

 

あの宮崎駿監督や富野由悠季監督が、自分たちには作れないと、文字通り大嫉妬した作品になります。

 

 

王立宇宙軍 オネアミスの翼

至ってフツーの青年が、奇跡もご都合主義も一切なく宇宙へ行くだけの作品ですが、何度も観れる独特の魅力がある。

人生の転機とかでも何故かよく観ていて、十回、いや二十回以上観賞しているものの、不思議と飽きない。

 

1987年初放映と、すでに34年も前のアニメ映画なものの、シナリオ・映像・音楽・声優、どれをとっても一級品であり、一切古びれません。

海外での評価が特に高く、思い出の作品特集では必ず名前が挙がってきています。

 

この作品の最大の魅力は、もう一つの地球(60年代くらいの文明程度の、全く違う文化をもった星)を、食器一つから言語・音楽に至るまで緻密に造り上げている点で、そのリアリティーが作品世界を息づかせています。そこにちゃんと存在しているのです。

 

その世界でのリアリティーを追求する姿勢は、「ガンダム0080」と通じるところがありますね。

 

エヴァンゲリオン」の庵野監督も作画でイイ仕事をしていて、ロケット打ち上げの伝説の神作画もさることながら、担当した戦闘シーンのリアルさは、少なくともこれを超える“戦争”は、アニメで描かれることはないと断言できます。

曳光弾フェチにとって、これ以上のご馳走はございません。ハアハア(*´Д`)

 

冗談はさておき、音楽は世界の坂本龍一で、これまた味のある楽曲が多く、オープニングとエンディングのエモさは何度観ても鳥肌モノです。

 

オネアミスの翼」のエンディングは、明確な答えがなく、酷評されることも多いのですが、自分はこれ以上は考えられないラストだと思います。見るたび、味わい深い余韻にしびれる思いがします。

例えるなら、とても質の良い懐石料理をたのしんだ満足感に似ています。

 

その意味では、分かりやすいハリウッド映画ではなく、ミニシアター系映画といった作品ですね。

最初は取っつきにくいですが、いったん作品に深くコミットすれば、至福の映像体験が待っています。

 

また、声優陣も豪華。中でも主人公シロツグを森本レオさんにしたのが絶妙な一手で、あの飄々として、トボけたとこがありながらも唯一無二の心地好い美声が、作品に幅と奥行きを与えています。

 

1/fの揺らぎがある森本レオの声は、楽器と一緒。

わびしさの中に癒しがあり、例えるなら、「コンドルは飛んでいく」のオカリナのように感じます。

 

https://youtu.be/Un7vh6S91uw

このね、森本レオのモノローグから始まって、坂本龍一のメインテーマ曲をBGMに、あちらの世界の歴史が味のある絵で描かれる一連のオープニングが、特に好きです。

 

 

そして、ラストのエンディング。宇宙で太陽の強い光に視界を奪われ、過去の記憶から人類の営みの歴史へと遡っていくシロツグ。

 

反転して無音になり、地表で収穫作業をしているヒロインを映し、そのリイクニがふと虚空を見上げたところで曲が始まる。

 

そして、やがてメインテーマへと戻っていきます。

 

 

人生ままならないことだらけでも、ちょっとだけ力をもらえるような、そんな作品です。