邪馬台国→大和朝廷への一大ニュース!

https://www.sankei.com/article/20230907-S3HPIEWGKNPNXPLWMFZUQNUTRA/

◯ 石室に銅鏡103面以上、国内最多 倭国王の絶大権力明らかに 桜井茶臼山古墳

 

さてさて、またまた大きな古代日本ニュースが舞い込んできたものだ。

なんと、ヤマト朝廷最初期の大王が、思われていたよりはるかに絶大な権力を持っていたらしいことが、発掘によって出てきた大量の銅鏡によって明らかになったのである。

 

以下、記事から引用

同古墳(桜井茶臼山古墳)では、平成21年の調査で「是」と記された三角縁神獣鏡の破片を確認し、「正始(せいし)元年」(240年)の文字のある鏡と同じ鋳型で作られたことが判明。卑弥呼が魏から金印や鏡を受け取った年にあたり、被葬者は卑弥呼の数世代のちの王の可能性も指摘されている。

 

これを前回の古代日本ニュースエントリの年表に当てはめてみる。

 

 

「正始(せいし)元年」(西暦240年・三世紀)の文字のある鏡と同じ鋳型で作られた。

卑弥呼が魏から金印や鏡を受け取った年にあたり、被葬者は卑弥呼の数世代のちの王の可能性も

「15代応神天皇皇紀

西暦270〜310年(三世紀後期から四世紀はじめ)

「16代仁徳天皇皇紀

西暦313〜399年(四世紀)

「盾形の銅鏡&巨大鉄剣の埋葬時期」

四世紀後半

「さきたま古墳群成立期」

西暦400年代後半(五世紀後半)

 

アレ?アルェェエエエ??なんかおかしくね?卑弥呼がちうごくから鏡受け取ってから、最短30年で第15代天皇?!

 

・・・そうなのである。さんざ古代ロマンとか自分で言っときながら、皇統については、どうやら継体天皇の時点でそれまでの皇統は途絶えたらしいという、実にフンワリとしたイメージしかなかったのである。

しかも、「天皇家のずっと前に卑弥呼の時代があり、卑弥呼天照大神という神話になってヤマト朝廷、ひいては天皇家へと繋がっていく」というイメージは、時系列からして、そもそも根本から間違っていたのだ。

 

 

は、恥ずかしい。。無知もいいところである。

しかし、言い訳させてもらうなら、そこんところの詳しい歴史ってのは、学校でもちゃんと習うことはなく、古事記日本書紀からなんとなく天皇家に繋がっていきますよ〜という、曖昧な知識しか与えられていなかったのだ。

 

 

自分を歴史好きにすることになった名著、というか絵柄は今だに古びていない傑作マンガ「旧小学館版 日本の歴史」(初版1975年)でもそこは意図的に触れていないと感じる。

 

f:id:cheeriohappa:20230920210328j:image

https://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/113656.html

 

まあしかし、正統性を主張したいがあまり、ちょっとばかしサバを読んでしまったり、誇張してしまったりというのは、この手の話ではよくあることである。

  

しかし、いささか遡り過ぎて、今年2023年令和5年で皇紀2683年とのことだが、今から1万3千年前から2300年前くらいまで続いていたといわれる縄文時代モロかぶりしてしまうのだ。

弥生時代も挟まずに、縄文時代にイキナリ初代天皇が出現したというのは、いくら渡来人系であったとしても無理があるし、日本人の心情としても、それは受け入れ難い。

 

そして正直なところ、実在したかどうかもあやふやな初期天皇より、いつの時点で卑弥呼が皇統と関わりを持つか一点のみ、個人的に興味がそそられるのである。

 

いや、この表現では誤解が生じるだろう。卑弥呼も皇統も別々に同時期に存在していた訳ではないのだ。

これまでの自分の歴史知識を統合してみると、あまりに高名だった卑弥呼の存在を、創世神話に織り込むことで、その正統な後継者であることを大和政権、そしてその後つながっていく皇統が、暗に主張していると解釈することも可能になってくる。

 

もちろんこれは、可能性としての数ある仮説の一つに過ぎないが、卑弥呼天照大神(アマテラスオオミカミ)として象徴される、皇統の言わば「始祖」になったとする説は、かなり納得できる部分がある。

 

というのも、前にも触れたが、日本創世記である日本書紀の、今の宮崎県にある高千穂の、不自然なほどの存在感(プレゼンス)の高さが、その後の日本史での存在感の無さと比べて、どうもこうも説明がつかないのだ。

 

おそらく、宮崎県にあったと思われる邪馬台国が、中央集権国家である大和王朝に、言い方が悪いが「利用」され、ヤマタイコクの名称も、ヤマト国として引き継がれたのではないかと想像する。

 

まあ、何の決定的な証拠も出てきていない現時点では妄想に過ぎないが、近ごろ続く古代日本史大ニュースを、最近のスポーツ界の日本大躍進並みに楽しめている点では、少なくとも歴史ロマンもなかなか奥が深いと言えるのである。

 

 

https://www.kunaicho.go.jp/about/kosei/pdf/keizu-j.pdf

 

https://www.sankei.com/article/20230907-FTC2HLS5XBK6FFEMQPTAFWPEJ4/

◯ 大量の銅鏡が写す絶対的権力 国家形成「連合政権」論に一石 茶臼山古墳

 

 

 

https://www.sankei.com/article/20230907-CCZDU7CCPJK3VEXUFB63ZQEHR4/


◯「一級の鏡ばかり」研究者も感嘆 邪馬台国に続くヤマト政権の王の実像に迫る