アメリカのオーディション番組「アメリカズ ゴット タレント(AGT)」といえば、ゆりやんレトリバーが名物毒舌審査員のサイモンにカマしたことで日本でも有名だが、やはり本物の持つ力はすごい。まずは動画の歌を聴いてみて欲しい。
いつもお世話になっている人から送られてきたリンクを何気なく開いて、つい涙ぐんでしまった。
“魂に語りかけてくる歌”というのは、こういうことをさして言うんだろうと思う。
そして、悲しいことに、彼女はもうこの世にはいないのである。
「アメリカズ ゴット タレント」に出演した時点で身体中にガンが転移していて、わずか2%の生存確率の宣告。
しかし、それでもこの最後の歌を遺している。どこからその強さが出てくるのだろう?
Nightbirde | Girl In A Bubble Official Video - YouTube
人はたった一度の人生、それも三十歳しかない短い一生で、ここまで魂がピュアなものになるものだろうか?
彼女がAGTで歌うことになる一年前に作った、「It's OK」という曲。曲の中で、いつ火が点くか分からないダイナマイトという歌詞がある。もう、残酷な宣告は受けていたのだ。
しかし、諦めでもなく、カラ元気でもなく、聴く人が心を揺さぶられずにはいられない、“何か”が伝わってくる。
『人は誰でもみんな少し迷子になる。でも大丈夫。大丈夫。』
そこで彼女は、人智を超えた存在、神さまの存在でも感じたのだろうか?
しかし、尾崎豊にしろ、神さまに愛され過ぎると、早世してしまうような気がしてならない。早く手元に戻したくなるのだろうか。
それでも、何も成せないより、永劫心に残る“何か”を遺せた彼らは、見事に生き切ったとも言える。
と、そんなことを考えていたら、またその人からのメッセージで、ロシアのウクライナ侵攻が始まったことを知った。
人は限りなく純粋になることも可能なのに、遺恨も欲望も捨て去ることが出来ず、また戦争をしてしまう。
聖書の奥深さはまだよく分からないけれど、ここまで両極端な人のありようを、ほぼ同時に実感した夜だった。