昼スナックママが伝授 40代からの「ご機嫌な働き方」|NIKKEI STYLE
In the right place, in the right time.
正しい時に、正しい場所にいるか?
転職の際に、マインドセットを整えていくのに役立った本とマンガを紹介しようと思う。
本は、『昼スナックママが教える45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』で、マンガは「ドラゴン桜」と同じ作者による『銀のアンカー』である。
どちらも、心理分析が絶妙で、即効性のある転職対策となったことで、自分の人生についても再考する契機ともなった良書。
最後に心に刺さった文をまとめておいたので、就職活動の森で迷ったら、参考になったらいいなと思います。
さて、オランダへ移住するための計画を、下見に行った2017年から進めてきて、職業訓練校にも通い、ようやくやりたいことと出来ることの妥協点と将来性に、目鼻みたいなものがついてきたと思っていた今年2021年初夏。
友だちがいるニュージーランドに帰ることも考えたが、ビザのハードルが高くなっていて、その点、日本人だとすぐ起業できるビザがもらえるオランダはとても魅力的だった。
カレーかラーメンのチェーン店でノウハウを学ぶべく、カバーレターまで書いてハローワークに行くと、担当のやさしいおじさんに、「こんなのがありますよ」と、プリントされた紙を渡された。
一見無理そうな、お堅いドライバーの仕事募集。英語を使える仕事が出来たらと言っていたのを覚えてくれていたらしい。
これまで練ってきた計画がフイになることに、正直抵抗はあったものの、ダメ元で応募してみることにした。他への応募は一旦保留。
結果、オンライン面接、対面面接等を経て、なんとか仮採用となり、八月上旬から働きだして今に至る。
半年は仮採用期間であるし、オランダへ行きたい根本的理由が、「尊厳死があること」には変わりないものの、三十人以上から選ばれたからには失望してもらいたくはない。定年後にだって、オランダへ行くのは可能だし、あのカーネル・サンダースおじさんがケンタッキーフライドチキンを始めたのも、65歳になってからだそう。
また、自分は今まで、料理人としても観光タクシードライバーとしても、本当の意味合いでのプロフェッショナルにはなれず、おまけに結婚も一度失敗しているが、そのすべてがあって今回の仕事に繋がっていると実感している。
人生において、無駄なものは本来ないのだと感じる。失敗も後悔も経験しなければ、他人のそれを本当に想像することは出来ないのと一緒。
そして、想像することそのものが、動物と違う、人が人として存在している由縁であるだろう。
さて、少し脱線しかけたが、とりあえず言いたいのは、タイトルのように、“正しい時に、正しい場所にいるか?”である。
自分の場合、料理人としても観光タクシードライバーとしても中途半端だったものの、何ごとにも興味深い自分だからこそ出来るアテンドや、走り屋時代に培った荷重移動のテクニックによるスムースライドや、ロールスロイスのブレーキ(スーッと止まる)を、半ばネタみたいにアピールできた。
酔っぱらいを吐かさないスムースライドは、なかなかウケたと思う。
また、仕事を始めてから聞いた話が、自分が歴史好きであるのも好印象という点だったこと。
余談だが、歴史好きはアピールしたが、ミリタリーファンなことは当然、弟が自衛隊のゴラン高原PKOに参加していたことも一言も触れなかった。
プラスになった可能性もあるが、何がマイナスにつながるか分からないし、センシティブな部分でもあったので、余計なアピールをしなかったのは、結果論としては正解だった。
他にも、ダメなら渡航解禁後にオランダ行けばいいやと、あまり気負っていなかったのも良かったのかもしれないが、上記の二冊の“参考書”が役に立ったのは言うまでもない。
また、かねてから違和感を感じていた「自己実現」という言葉の裏にある闇を、読んで感動した「ルックバック」を手掛かりに、“自己表現”との対比で明確化してみた。
誰もが陥りがちな落とし穴なので、これも何かの参考になればと思う。
『ルックバック』で描かれた創作のよろこびとは - 海外でサバゲをやってみた Ninja St☮g plays Airsoft in the world
ということで、最後に冒頭に触れたそれぞれの本とマンガから、心に刺さってメモしておいた文を箇条書きしていこうと思います。
『昼スナックママが教える45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』より
「次のステージで何をいちばん重視するかをはっきりさせること。これから働くうえで大事にしたいことの優先順位を付けてみる。何があれば自分は満足できるのか、どんな条件は譲れないのか、何は妥協できるのか。年も重ねてきた今の自分が、いちばんパフォーマンスを出せるのはどういう状況なのかは、自分にしかわからない」
「大事なのは2つあって、1つは自分の才能が花開く場所にいたいということ。もう1つはいい仲間と働きたいということ」
「経験もスキルも積んだ大人なんだからさ、「雇ってもらう」という発想だけじゃなく、その会社で自分が働くことが会社にどんな恩恵をもたらすのか、自分の力を100%発揮するために、どう働いていきたいか、をきちんと伝えていくことも大事」
「再就職先を探すのなんて不動産物件を探すのと一緒で、たまたまのタイミングもあるし、100%お互いの条件が合うことはなかなかないと割り切ったほうがいい」
「ゆくゆくは起業を念頭に置いているなら、そのための人脈づくりや、仕事の内容が起業につながりそうな会社を、次に選ぶのもいいしね」
「誰がなんと言おうと自分に合った職場を見つけられる人が幸せになる。市場価値なんて言葉に踊らされないでよね」
最後に、マンガ『銀のアンカー』より
人事も共感!内定請負漫画「銀のアンカー」名言集【HR NOTE編集部による19選】 | 人事部から企業成長を応援するメディアHR NOTE
「人の印象には、言語的アピールと非言語的アピールがある」
「面接では、人柄をみている。その人が客観的に自分を認識しているか、が最も知りたいこと。
雨と晴れ、両方バランスよく兼ね備えていて、それを自覚して行動できるかを見られている。
(もっと言うなら、その人物が“地雷”ではないかも注意点としてある)※カッコ内は他からの付け足し」
「内発的動機付け、問題解決能力、不確実性への耐性」
「就活の三種の神器
人柄、熱意、可能性
可能性は、伸び代を見るというより、基礎が出来ているかを見られる」
「自己分析は自分探しではない。社会との関わり方を考える」
「世の中の常識、社会や企業のあり方、その時代の価値観、それらを分析して、それに対して自分はどういう意見か、どういう生き方を選択するかが自己分析」
「会社の持つ将来性
業績、将来性、技術開発力、資産」
「自分は人事部が、役員に胸を張って推薦できる人物か?という視点を持つ」
「ベストな企業より、フィットする企業」
「働く人の視点を持ち、辛いこと面倒くさい地味なことにも着目し、それに対応できるか」
「エントリーシートは、まず会いたいと思わせ、面接で質問させ、採用会議で思い出させることを目標に、社長宛てに書く」
「面接で訊かれる「最近気になったニュース」は、その業界でのビジネス感覚を問われている」
「企業が求める一流大学に負けないためには、頑張ることと、対価を払うこと」
「知的レベルの高い人間は情報に金を払うが、低い人間は金を出さない」
「目の肥えた知的レベルの高い人間を満足させるために、きちんとお金をかけて取材をし、識者の目で監修チェックされ、プロによって制作された媒体にしか、精度の高い情報は載っていない」
「芸者や忍者という、彼らに興味のある“価値”をまとって、初めて存在を認められた」
「志望する業界・企業の求めている「自分の一面」をアピールする」
「企業が更に発展する“新戦力”であることを伝える」
「就活を通し、一生必要とされる「できる人間」に成長しろ」
「「借り物じゃないユニークな体験」と「普遍性のあるユニバーサルな事象」の両方があるストーリー」